市場・売場が拡大するCVSの冷凍食品 大手3社が50品以上を投入、最多はセブン-イレブンの62品

CVS(コンビニエンスストア)の冷凍食品が、ますます存在感を増している。かつてCVSのデリカは、常温・チルドおよびカウンター周りの商材が中心であり、冷食はアルミ鍋の鍋焼きうどんと氷のみの市場と言われてきた。それがここ数年、PB(プライベートブランド)を中心に冷凍食品の売場・品目数が拡大している。大手メーカーによれば、まだ総市場に占める比率は少ないものの、伸長率は市場を大きく上回っているという。

本紙は今月、CVS大手3社の冷凍食品PB商品と、製造・販売元のメーカー名などについて店頭調査を実施した。巻末に今号より連載する表は10月中旬時点での各社Webサイトの商品情報を基に、調査結果をまとめたもの。

CVS3社は、セブン-イレブンが「セブンプレミアム」、ファミリーマートが「ファミリーマートコレクション(ファミコレ)」、ローソンが「ローソンセレクト」と、各社PBの中で、近年積極的に冷凍食品を展開している。3社がPBとして展開する冷凍食品の品目数(氷、アイス類除く)は、Webサイトに掲載されているものでセブン-イレブンが62品、ファミリーマートが52品、ローソンが57品と、3社とも50品以上を展開していた。前年同時期との比較では、セブン-イレブンが8品増、ファミリーマートが13品増と増えているのに対し、ローソンは4品減と減少していた。ファミリーマートは昨年11月以降、冷凍食品を全面刷新しており、パッケージリニューアルを含めると、全商品が昨年10月とは入れ替わっており、品数も増加した。

次の表は、3社および合計のカテゴリー別の商品数比率をまとめたものである。3社合計で見ると、具付き麺が19.9%、パスタが8.8%、玉麺・スープ付き麺が3.5%、米飯が11.7%、おかずが26.3%、ピザ・グラタンが5.8%、スナックが6.4%、農産品が17.5%となったが、各社で比率がかなり異なることが分かる。特に農産品においてはセブン-イレブンが29.0%と圧倒的に多く取り扱っているほか、おかずの構成比も32.3%と最も高かった。一方、具付き麺はファミリーマート、ローソンの構成比が20%以上と高く、米飯はファミリーマートで構成比が17.3%と高い。

また、メーカー別で見るとセブン-イレブンはノースイが8品で最多、次いでニチレイフーズ、日本ハム、マルハニチロが6品、ファミリーマートはマルハニチロが14品で最多、次いでニチレイフーズが10品、ローソンはテーブルマークが13品で最多、次いでキンレイが8品だった。3社を合計すると、マルハニチロが25品で最多、次いでニチレイフーズが23品、キンレイ、テーブルマークが18品ずつ、日清フーズが12品、日清食品冷凍が11品だった(※セブン-イレブン、ファミリーマートは店頭調査で商品を確認できなかったためメーカーが不明だったものが2品ずつある)。なお、今回の調査はWebサイトの情報をベースとしたが、Webサイトに掲載されていない商品が店頭に置かれているケースもあり、特にセブン-イレブンの「セブンプレミアム」はSM、GMSでも展開するブランドなため、弁当品などがCVSでも販売しているケースがあった。また、ローソン、ファミリーマートでは一部でNB商品を販売している店舗もあった。

販売概況について、ローソンは17年度上期(3~8月)の冷食売上高が15%増、ファミリーマート、セブン-イレブンも伸長しているという。また、セブン-イレブンは、今後店舗数を1万店舗まで拡大することを計画する新フォーマット店舗で、冷食売場を現在の2倍規模に拡大するとしており、冷食に力を入れることを表明。ファミリーマートは、家庭調理の置き換えをさらに進めるカテゴリー横断型の惣菜ブランド「お母さん食堂」を冷食でも展開するとしており、今秋発売した「とんこつ醤油ラーメン」は、同ブランドから投入している。こうした状況を見ると、今後ますますCVSの冷食市場は拡大していきそうな気配である。

※調査は各社Webサイトの情報を基に、今年10月中旬、東京・埼玉・千葉のCVS店頭で実施した。メーカー名は、商品によって「製造者」「販売者」「輸入者」等扱いが異なる。また、調査結果と異なるメーカーが扱っている可能性もある。

〈冷食日報2017年10月30日付より〉