ヤグチ、都内で総合展示会 テーマは「調理現場の課題解決」

〈メーカー13社が手間軽減につながるメニューを提案〉

ヤグチは15日、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で103回目となる総合展示会「2017ヤグチ秋期見本市~豊かな品揃えと専門力~」を開催した。メーカー約300社が出展、得意先卸やユーザー3,400人の来場を見込む。通常、土曜日に開催してきていたが、今回は昭和40年代以来の平日開催となった。

今回のテーマは「調理現場の課題解決 手間軽減 商品・メニューのご提案」とした。外食産業の人手不足が課題となる中、調理現場の「ピーク時に対応できるだけの人が確保できない」「調理熟練者がいない」「食材のロスを何とかしたい」という課題に対して、解決案として「工程短縮化」「機能性付加」「廃棄ロス削減」を実現する商品・メニューを多数提案した。

「メインテーマコーナー」では、そのテーマに沿った商品・メニュー提案を実施。メーカー13社が手間軽減につながる商品を組み合わせたメニューを、試食を交えて提案した。

冷食関連では▽ジェーシー・コムサが「ミラノ風半なま超うすクラスト900」を使用し、生地をいちから仕込む手間を省いた「手軽に本格マルガリータピザ」▽エム・シーシー食品が「ソテードオニオンスライス70」を使用し、長時間タマネギをソテーする手間を省いた「ハヤシライス」▽リボン食品が「クッキング用スライス(筋入り)50」を使用し、分量を量る手間をなくした「簡単!バターライス」▽キユーピーが「とろっとたまご 洋風」を使い、湯煎で簡単にとろっとタマゴができることを活かした「とろっとオムライス」▽マルハニチロが自然解凍ですぐに使える特長を活かした「便利なひじき煮」を使った「ひじきの枝豆煮」、「便利な湯葉と昆布の彩り和え」を使った「湯葉と昆布とオクラ和え」、「便利な豆と根菜の胡麻だれサラダ」を使った「豆と根菜とロマネスコ胡麻だれサラダ」の3種▽テーブルマークが「ガーリックライス」を活用し、にんにくとご飯を合わせて炒める手間を省いた「締めのガーリックライス茶漬け」▽カゴメが「冷凍ペレットソース(トマト・バジル・クリーム)」を使い、計量いらずで簡単に調理できる「イタリア野菜の3種のソースグラタン」▽大冷が化学調味料を使わずじっくりと時間をかけて柔らかく煮込んだ「ボイルドミート 牛バラ肉の下煮」を使った「ビーフシチュー」、「同 豚バラ肉の下煮」を使った「酢豚」で煮込み時間短縮――を訴求した。

冷凍メインテーマコーナーではベトナム産のナマズの仲間「パンガシウス」に焦点を当て、パンガシウス フィレを活用したムニエル、黒酢あんかけ、フィッシュ&チップス、照り焼きといったメニューを試食提案した。

新商材コーナーでは商品展示だけでなくメーカー9社が新商品を試食提案。「従来は試食は各メーカーブースへ行っていただく必要があったが、前回小規模ながら試食コーナーを設けたところ好評で、今回は9社の試食をできるよう拡大した」(担当者)という。

〈「働き手不足、喫緊の課題」=栗栖社長〉

同日開催された記者会見で、栗栖信也社長は要旨次のように述べた。栗栖社長=昨今、人手不足で外食産業は苦労を強いられ、中には営業時間短縮や閉店するところも出ていると聞く。働き手不足が喫緊の課題で、ランチタイム等ピーク時対応や、現場に熟練者がいないなど問題となっている。

そうした中、工程を短縮したり、機能性価値を高めることで熟練者でなくても調理できる、また無駄の排除を実現できる商品・メニュー提案をテーマに開催した。メーカー様にメニューを持ち寄ってもらい、手間がかからず、かつ、高級感・おいしい味を実現するようなメニューを提案している。

平日開催ということで、得意先卸にお願いし、ユーザーも多数来場いただけるようにした。メーカーの自社商品の優れた点を徹底的にアピールしてもらい、停滞する業務用市場活性化に向け、的確な情報・メッセージを伝える場としてもらいたい。

〈冷食日報2017年11月16日付より〉