マルハニチロ 秋に引き続きプリフライかき揚げ提案、店内手揚げから移行促進/2021年春季業務用新商品

マルハニチロ「手作りサクサクえびかき揚げ80」
マルハニチロは1月15日、2021年春季業務用冷凍食品の新商品14品・リニューアル品5品を発表した。調理現場の人手不足が課題となる中、調理・提供時の簡便性、ロス削減のローコストオペレーションが図れるプリフライのかき揚げを2020年秋に続いて投入し、ラインアップを強化する。生産性向上を軸に、店内手揚げからプリフライへの移行を提案することで、時間を気にせず・簡単に・安定的な商品の提供に貢献する。

量販惣菜売場では、コロナ禍の感染症拡大防止の観点から、バラ売りからパック売りへの変化が起きた。それにより、天ぷらカテゴリーが不振となり、調理現場では、品出しに手間がかかるほか、天ぷらのシズル感が失われるという課題が浮上。また、惣菜の客単価が伸びず、売上も伸び悩むことも課題となっている。

マルハニチロが全国量販店惣菜売場の「かき揚げ市場」を調査したところ、85社中74%が手揚げ、26%がプリフライと、店内手揚げの構成比が多かったという。また、商品別構成比では野菜かき揚げが52%で過半数、次いでえびかき揚げが27%だったという。

このことから、店内手揚げが主流ゆえに「プリフライ品」に大きな伸びしろがあるとみて、野菜かき揚げに次ぐ柱の「えびかき揚げ」に着目して新商品を開発。「ベジコーディ」シリーズからプリフライのかき揚げ3種を新発売するとともに、野菜かき揚げ2種を2020年秋発売の「手作りサクサク野菜かき揚げ80」と同一品位にリニューアルし、ラインアップ強化を図る。

「手作りサクサクえびかき揚げ65/80」は、調理現場の手揚げで手間のかかるえびのトッピングを代行したプリフライかき揚げ。市場のメーンである売価128円の65gサイズと、売場単価の向上を提案する売価148円(298円/2枚売り想定)の80gサイズの2企画を投入する。えびは朱赤色の美しいアカスえびを使用。2020年秋の新商品に引き続き、サクサク食感と野菜のおいしさを活かすノウハウを踏襲した。

また、「手作りサクサクミニかき揚げ30」は天ぷら盛り合わせにもパック売りにも適したミニサイズのプリフライかき揚げ。他社にはないミニサイズの手揚げ製造で、ミニサイズながら高さがあり、「サクサク食感」と「野菜のおいしさ」でも差別化する。販売時は天ぷら盛り合わせで1枚使うほか、コロナ禍でパック売りにもチャンスがあり、想定売価5枚298円のパック売りも提案する。

他に、かき揚げ市場でシェアの大きい野菜かき揚げでは、2種をリニューアルし「手作りサクサク野菜かき揚げ65/100」として発売。2020年秋に発売した「手作りサクサク野菜かき揚げ80」と同一品位とし、売価別ラインアップを強化した。商品特徴として、170℃の油で揚げても焦げにくく、使用ロス・販売ロス低減に貢献するほか、経時耐性が強く売場で高さを保つこと、サクサク食感・野菜のおいしさを活かすノウハウの強みなどが挙げられる。

今回発売・リニューアルするプリフライかき揚げすべての生産工場は中国・永進冷凍食品、発売日は3月1日。

〈マルハニチロ、12月単月で業務用は4月以降最良の96%〉
マルハニチロの12月単月での食品事業カテゴリー別販売実績は、市販用冷食が前年比109%、加工食品が若干減、業務用食品が96%となった。半澤貞彦取締役専務執行役員が、1月15日にオンラインで開催した新商品発表会の質疑応答の中で話した。

半澤専務によれば、業務用は前年割れながら4月以降では最も良く、中でも生協が120%以上、コンビニエンスストアもおせち具材などで100%を超え、介護が105%と堅調で、業務用市場が厳しい中でもある程度取り戻せたという。一方、支社では地方の観光地などで外食、ホテルがGoTo停止の影響もあり厳しい状況だとした。

今後の見通しについて、市販用は103~104%での推移を見込んでいたが、12月は市場も111%と感染症拡大による内食拡大の中、想定より上振れそうだと見る。一方、業務用は緊急事態宣言もあり2020年春並に逆戻りすることが想定され、トータルすると想定から大きなぶれは出ないという見通しを示した。

〈冷食日報2021年1月20日付〉