ピザ市場 2020年度は1.5%減2829億円、3年ぶり減も過去2位、メーカー出荷額は6年連続伸長/ピザ協議会

ピザ市場 2020年度は1.5%減2829億円、メーカー出荷額は6年連続伸長(画像はイメージ)
ピザ協議会がこのほど発表した2020年度ピザマーケット調査の結果(ピザ推定末端売上高)は、2019年度比1.5%減の2829億円(2019年度2871億7000万円)と3年ぶりのマイナスとなった。2018年度から2年連続で過去最高を更新したが、2020年度は業務用市場の縮小が影響し、マイナスに転じた。ただ、2019年度に次ぐ過去2番目の数値となった。

調査内訳を見ると、家庭用需要の急伸に伴い、メーカー出荷額は前年比2.6%と増加し、6年連続の増加となった。一方、末端価格が大きくなる業務用製品の出荷額が大幅減少となったことで、メーカー製品由来の推計末端売上高は、前年比4.4%減と減少した。

一方、コロナ禍により、ピザ専門店はじめ業務用市場の落ち込みが影響したものの、ピザ宅配店、通販、テークアウトは伸長し「ピザ宅配店及び専門店、通販業者、イタリアンレストラン及びファミリーレストラン」の推計ピザ売上高は増加した。

同調査は、メーカー製品出荷金額(対象メーカー計10社)を基に推定したピザ末端売上高、宅配・外食データを基に推定した市場規模を合算して算出している。

ピザの末端売上高(全国の小売店舗等や業務用店舗等でのピザ売上高の合計)は前年比4.4%減の1314.2億円と推計した。

その基となるメーカー出荷金額ベースの実績は、前年比2.6%増と6年連続で増加。市販用対業務用の比率は93.2%対6.8%(前年は89.1%対10.9%)だった。

同協議会によれば、会員メーカーのトッピング済みチルドピザは引き続き増加した一方、冷凍ピザは2年連続減少。また、クラスト(主に業務用)も減少に転じたという。

なお、末端売上高推計値の増減率とメーカー出荷額ベースの増減率に差があるのは、家庭用、業務用、トッピング済みピザ、クラストの分類別にそれぞれ異なる係数を掛け、末端価格(消費者がピザに支払った金額)を推計しているためだとしている。

また、各種資料より推定した20年度のピザ宅配店・ピザ専門店、通販業者、イタリアンレストランの売上高(ドリンク、サイドメニュー等を除くピザのみの推定値)は、前年比1.9%増の1784.5億円とした。

ピザ店のうち、ピザメーカーがクラスト(生ドウ、冷凍ドウを含む)を販売している先は15.11%と考えられ、ピザ市場に加算されるべきピザ宅配店、専門店、イタリアンレストランの売上高は、この推定値の84.89%に相当すると推定されることから、この値は前年比1.1%増の1514.8億円と推定。

前述の末端売上高推定値と合計し、2020年度の推定末端売上高合計を前年比1.5%減2829.0億円としている。

ピザマーケットの調査・分析は昨年同様、生活科学研究所に委託した。正会員メーカー9社並びに非会員1社の計10社に「ピザメーカー調査票」を送付し、

▽トッピング済み冷凍及びチルドピザの出荷量、出荷金額
▽クラスト(生ドウ、冷凍ドウを含む)の出荷量、生産金額
▽前述の対前年比
▽市販用、業務用の別(ただし、OEM の場合は末端消費段階を推定して)
▽自社生産比率
――などについて回答を求め、10社全社から回答があった。

これらを集計・分析するとともに、その他ピザ関連企業の聞き取り調査、外部資料に基づくピザ宅配店・ピザ専門店のピザ販売実績なども含めて、ピザマーケットを推定しているという。

〈冷食日報2021年8月23日付〉