忘年会“とりあえずビール”約7割、カクヤスが意識調査
忘年会に対する意識調査とあわせ、忘年会などの飲み会の席でよく聞かれる「とりあえずビール」のひと言に注目、なぜ言ってしまうのか、その理由をはじめ、世代間での違いについても調べた。忘年会については、今回のアンケートは、「家族ではなく、職場や友人・知人同士で開催するもので、飲食店で行うものに限定。オンラインで行うものは含まない」と定義した。
まず、2021年は忘年会に参加するかどうかを聞いたところ、票はかなり割れた。そのなかで多かったのは、「参加しない」と「開催する条件次第で決める(日にち、人数、メンバーなど)」でいずれも27.9%。「参加する」は21.1%にとどまった。忘年会についてどう考えているかも自由回答で募ったところ、「忘年会=職場のイベント」というイメージが強いせいか、否定的な意見が見受けられた。一方で、「最近はリモートワークが主体になっているので、コミュニケーションをとる場としても開催してほしい」といった開催賛成派も少なくなかった。
そうしたなか、目立ったのがプライベートな忘年会は開催したいという意見。「気の合った仲間と一年の締めくくりをしたい」「会社ではなく、友人とは忘年会を開催したい」など。いろいろ思うところはあるにせよ、忘年会は年末に欠かせない日本ならではの文化といえそうだ。
忘年会に限らず、飲み会の席でよく聞かれるのが「とりあえずビール」という言葉。実際、どのくらいの人がそう言って最初にビールを注文するのかを調査してみたところ、69.1%が「とりあえずビール」派(以下、“とりビー派”)であることがわかった。「時と場合による」という条件付きの人は18.7%で、約9割が“とりビー派”という結果だった。
世代別でみると、興味深いことに50代を境に“とりビー派”の比率は分かれる。20代から40代までは60%台、50代から70代以上は70%台だった。“とりビー”率が最も低いのは40代で63%、逆に最も高いのは70代以上で79%に上る。
アンケート 「とりあえずビール派」年齢別比率
なぜ「とりあえずビール」と言うのか、理由を聞いてみたところ、圧倒的に多かったのが、「ビールが飲みたいから」だった。その次は「早く持ってきてもらえるから」、「最初はビールと決めているから」と続く。
「そういう社会の風潮だから」や「本当は違うものを飲みたいが、周りに合わせたほうがよいから」という理由を選んだ、仕方なくビールを頼んでしまう“偽とりビー派”は、今回のアンケートでは少数だった。「仕事関係の時はとりビー。プライベートの時は焼酎かハイボールスタート」という意見もあったことから、ビールはビジネスシーンでの“公用酒”であり、だからこそ、時と場合によっては頼んでしまう“偽とりビー派”も存在するのだろうとしている。
“とりビー派”になったきっかけは何なのか。“とりビー派”を自認する人たちに聞いてみたところ、最も多かったのが「学生時代、部活やサークルでの飲み会」だった。
実際、「最初に飲んだ日から。たぶん、親や当時(30年以上前)の風潮の影響でしょう」「最初に飲み始めたのがビールでおいしかったため」「飲み始めたときからずっとそうだから」というコメントもあった。なかには、「とりあえずビールではなく ビールが好き」「とりあえず…なんてビールに失礼だ!」というビール愛に満ちた意見も。「年を重ねるごとにビールが好きになったから」「いろいろなクラフトビールを飲むようになってビールが好きになったから」という声もあった。
〈酒類飲料日報2021年12月13日付〉