上期はハム・ソー苦戦、食肉はアンガスブランド揃え伸長—丸大食品・百済社長
【大阪発】丸大食品は10日、18年3月期第2四半期決算を発表した。同日、決算説明会を開催して百済徳男代表取締役社長、加藤伸佳取締役経理部長らが出席した。
百済社長は上期について、「生産量は増えたが売上が減少するなどハム・ソーが苦戦した。想定していたよりも平均単価が下がった。(社内で)合理化対策のチームを作って、生産性を上げるように進めており、巻き返しに向けて、生産部門のコストダウンを図っていく。また、引続き周辺事業の拡大に注力する」と振り返るとともに今後に向けた取り組みを語った。
このうち、ウインナー品群については、「全体で見ると若干落ちるが、『燻製屋熟成あらびきポークウインナー』は落ちていない。キャンペーンを実施すると20%近く伸びるなど認知されている」と主力アイテムは堅調に推移していることを強調。ただ、下期のハム・ソーについて、「原料が高騰したままであり人件費も上がっていることなどがあり、下期はさらに厳しくなる」と見通しを述べた。
調理加工品の見通しについては、「伸びしろは十分にある」と語り、グループ会社では、「パイオニアフーズ(北海道京極町)は今年、じゃがいもが豊作ということもあり回復する見込み。また、梅屋(和歌山県田辺市)は倍近くなっている。安曇野食品工房(長野県松本市)は量販、CVSチャネルで伸びている。また、上期は4月に設備増設を行い、10月からフル稼働している。このほか、ベンダー事業が良かった」と下期以降、好転する見込みであることを強調した。また、設備投資について、「グループ会社を主体として取り組んでおり、グループ全体の強化を図る」と語った。このほか、サラダチキンに関しては、「当社内に限るとそこまで伸びていない。来春に向けて攻勢をかけていく。各社が競争すると市場が伸びる」と今後の意気込みを語った。
好調であった食肉事業について、「米国産チルドビーフでは量販・業務用ともに伸びた。アンガスを揃え、集中してブランド化したことが功を奏し、軽く2ケタは伸びた」と要因を分析。また、中元ギフトの状況では、「ほぼ前年比100%」の着地であり、ギフト市場については、「ギフト市場全体がシュリンクしている中、従来と同じように伸びるのは難しいのでは。楽観視はできない」と厳しい状況にあることを説明した。
今後の食肉の取組みについて、「アメリカ産牛肉は自由化以来、良いブランドを選定して取り組んでいる。日本では牛肉の品質がものすごく評価されることから、良いブランド、良い形で取り組めば、まだまだ伸びる。今後、いかにブランドを育てるかが課題。また、豚肉では国産ブランドを育てる余地がある。特定の産地と組んで、ポイントを選びながら取り組むことで、差別化を図っていく」との方針を示した。
〈畜産日報2017年11月14日付より〉