伊藤ハム米久HDの3Q、売上高5%増、営利は3.8%減、食肉の海外事業の収益低下

畜産日報 2018年2月7日付
〈加工食品事業は増収増益、TVCMなど主力商品のブランド力強化が奏功〉
伊藤ハム米久ホールディングスが6日に発表した18年3月期第3四半期連結業績は、加工食品・食肉の両事業とも増収となり、連結売上高は前年同期比5.0%増の6,429億3,200万円に上った。ただ、利益面では、食肉での海外事業の収益環境の悪化などにより、営業利益は同3.8%減の187億200万円となり、経常利益は同8.9%減の205億5,200万円、四半期純利益は同16.5%減の144億1,800万円を計上している。

加工食品事業の売上高(外部顧客向け)は、前年同期比3.6%増の2,246億7,700万円、営業利益は同0.4%増の110億1,400万円を計上した。原材料価格が上昇するなかで、積極的な拡販に努めた。このうち、ハム・ソーセージでは、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「御殿場高原あらびきポーク」などの主力商品を対象にTVCMを投入するなど、消費者キャンペーンを通じてブランド力強化に取り組んだ結果、販売数量、売上高ともに増加した。

調理加工食品では、簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化、ピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品が好調に推移し、ハンバーグ類や中華惣菜なども拡販に努めた結果、こちらも販売数量、売上高ともに増加した。一方、ギフトは、フラッグシップギフトの「伝承」を中心に拡販したことで、歳暮商戦では販売数量、売上高ともに堅調に推移したという。

食肉事業の売上高(同)は、同5.8%増の4,150億4,700万円に上ったが、営業利益は、海外事業の収益環境の悪化などから、同9.0%減の79億9,400万円となった。海外事業では、アンズコフーズ社はニュージーランド全体の牛処理頭数減少の影響を受けて、牛肉の販売数量、売上高ともに減少した。

これに対して国内事業については、輸入食肉なかで米国産チルドビーフの販売数量の伸長や輸入豚肉のオリジナルブランドの拡販などにより、牛肉・豚肉・鶏肉ともに販売数量、売上高が増加した。国内食肉についても、国産牛肉の相場高が一段落した状況下、生産者との連携強化を深めて拡販に努めた結果、販売数量、売上高ともに増加している。

〈業績予想を修正、売上高8,250億円に〉
同社では、第3四半期連結累計期間の原材料価格の上昇、海外事業の収益環境の悪化などの影響を踏まえ、18年3月期の連結業績予想を修正した。この結果、連結売上高は8,250億円(前回予想から150億円減)、営業利益は205億円(同20億円減)、経常利益230億円(同20億円減)、当期純利益165億円(修正なし)を見込んでいる。

〈畜産日報 2018年2月7日付より〉

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