中央酪農会議 国産NCコンテスト 大臣賞に千葉・チーズ工房SENの「竹炭 濃厚熟成」
中央酪農会議は11月2日都内で、「第11回ALL JAPANナチュラルチーズ(NC)コンテスト」最終審査を開催し、国内チーズ生産者73社から応募の161作品の中から農林水産大臣賞に、千葉県のチーズ工房SENのソフトチーズ「竹炭 濃厚熟成」を選出した。
同コンテストは2年に1度開催しており、年々出品者が増加、今年は7月の日EU・EPAの大筋合意を受け、日本産チーズのレベル向上、輸入チーズとの競争力を意識し出品に臨む製造者も中にはいて、レベルの高いチーズが多く出揃い、専門家らが外観・色調、組織、風味を総合的に審査し、同日は金賞9作品の公開最終審査を行い、上位4作品を決めた。
農水大臣賞の「竹炭 濃厚熟成」は、酸凝固の製法で作ったソフトタイプのチーズで、表面に竹炭をまぶし日本らしさを出しているのが特徴。表皮のねっとりした感じと、中の柔らかでとろける感じのバランス、鼻に抜ける高貴な香りが高く評価された。表彰式ではチーズ工房SENの製造責任者・柴田千代さんが、大臣賞の賞状とトロフィーを手にガッツポーズを見せ、さらなるおいしいチーズの製造に向け意欲を示した。
農畜産振興機構理事長賞はニセコチーズ工房(北海道)のハード熟成6カ月以上の「二世古 椛」、中酪会長賞は冨田ファーム(北海道興部町)の青カビ「ジャパンブルーおこっぺ」、審査員特別賞はTAK(福岡県糸島市)のハード熟成3カ月未満バラエティの「コハク・クミン」。
なお表彰式の席上あいさつした中酪の砂金甚太郎副会長は、「出品者の多くは小規模のチーズ工房で、酪農家自らまたは工房と酪農家の結びつきの中で、創意工夫を凝らし特色あるチーズを作っており、日本人の嗜好に合ったチーズが誕生している」と強調、これに水を差すようなことがあってはならないと、日本産チーズ競争力向上に向けた政府の対策に強く期待感を示した。
表彰式後は、出展したチーズの展示試食会が行われ、62工房が自慢のチーズを披露。日本産ワインも13ワイナリー・企業から出展され、欧州の伝統技術を取り入れながらも日本人の嗜好に合うチーズやワインに作り上げる国内製造者の底力、品質レベルの高さを来場者に印象付けた。
〈食品産業新聞2017年11月13日付より〉