“果汁飲料で健康習慣”提案、チョコ業界の成功をヒントに/雪印メグミルク「ドール ハンディチャージ」
ヒントにしたのは、「チョコレート(高カカオ)で健康に」という新たな習慣を作り出した菓子業界。「ストレス軽減や乳酸菌訴求など健康価値を付与し、潜在ニーズの顕在化で市場拡大させたチョコ。あのとき誰がチョコで健康になりたいと思ったか。これを志に、嗜好飲料にも健康ニーズがあるのではないかと考えた」(雪印メグミルク市乳事業部商品企画グループ・野村侑加氏)。
16年夏立ち上げの新プロジェクトチームで果汁飲料への潜在期待を掘り起こし、体系化、キーワードを抽出し、現代人の健康習慣に寄与する果汁飲料の開発に着手、「明確な機能」を付与した機能性表示食品として満を持して登場させた。
ブランドは以前からチルド果汁飲料で展開している「ドール」を使用し、商品名は朝やデスクワーク中、家事育児中などの飲用シーンを想定した「ハンディチャージ」、フレーバーは“ルテインが目の調子を整える”機能性表示の「ベリーミックス」と、“GABAがデスクワークによる一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和”という機能性表示の「レモンミックス」の2品となる。ともに180g、税抜165円。
果汁飲料に注力する理由は、同社主力事業のチーズ、ヨーグルトの乳製品以外でも、消費者の健康意識の高まりに対応するアイテムを強化していくため。果汁飲料の事業は現在、「原料果汁の価格高騰と市場規模縮小で決して順調とはいえず、事業環境を打破するべく策が必要だった」(同)という状況にあり、19年春の新商品は比較的順調な乳製品部門は主力品のラインナップ強化に留めて、まずは果汁飲料事業立て直しにとりかかった。
“果汁飲料で健康習慣”という挑戦の背景には、チョコレートの成功以外に、果汁に野菜を合わせたスムージーの近年のヒットも大きく関わる。「ベリーミックス」は2月19日から、「レモンミックス」は3月19日から発売で、大手コンビニや量販店に導入予定であり、新しい需要を作り出せるか注目だ。
雪印メグミルク市乳事業部商品企画グループ 野村侑加氏