発売1年で200万パック 朝食需要コメで取り返す「むらせ ライスグラノーラ」

神奈川県横須賀市に本社を置く米穀卸売業者むらせが昨年7月1日に発売した「ライスグラノーラ」が、1年で約200万パックを売り上げた。

何しろ村瀬慶太郎社長のリキの入れようが違う。社内に「新規需要創造課」を新設し、まずやらせたのは世界中からコメを原料としたあらゆる加工食品を集めてくること。「日本のコメ屋は『皮をむいて流す』ことしかしない。これでは未来がない。しかしコメの消費は増やしたい。日本では、ご飯としてしか食べられないが、違う形態での喫食需要は必ずあるはず」。

特に朝食需要をシリアルやグラノーラに奪われている。「ならばいっそコメでグラノーラを開発してやれ」となった。

きなこ味、メープル味、和風だし味=写真=の3種(各240g)。国内産100%の玄米を使用。米粒を活かしたパフと、玄米粉をバランス良く配合し、口当たりの良いサイズに成型したパフの2種類を、じっくり丁寧に焼き上げた。

新商品発表会の席上、村瀬社長は「これを機に当社は卸からメーカーへと変貌を遂げていく」とブチ上げたものだ。オープン価格だが、実売単価は当初700円前後と、やや高めだった。すると競合大手が一斉に単価を下げ始めたため、一時は苦戦を強いられた。今年に入ってから実売単価を500円弱に抑えたあたりから、常に拡大路線を維持。現在は月およそ2万パックのペースになった。

また現在は他社に生産を委託しているが、今年11月に専用自社工場(月10万パック能力)が稼働の予定。その際、グルテンフリー認証を取得、「特に海外からグルテンフリー需要が高いので、工場が稼働し認証を取得できれば、月5万パックのペース拡大は堅い」という。

〈食品産業新聞2017年9月11日付より〉