持続可能なパーム油調達ネットワーク「JaSPON」(ジャスポン)発足、18企業・団体が参加
発足メンバーは、味の素、イオン、エスビー食品、花王、グリーン購入ネットワーク、コントロールユニオンジャパン、サラヤ、資生堂、西友、WWFジャパン、ダーボン・オーガニック・ジャパン、太陽油脂、日清食品ホールディングス、日油、ボルネオ保全トラスト・ジャパン、明治、森永乳業、ライオン。
会長を務める、イオンの三宅香・執行役員は設立目的について、EUを中心にパーム油消費の主要国では、持続可能なパーム油調達のためのプラットフォームが構築されていることを踏まえ、日本においても、会員間の情報共有、意見交換、活動を通して、一企業では難しいRSPO認証パーム油の調達と消費を産業界全体に促すことだと述べた。加えて、「投資家サイドも、持続可能なサプライチェーンを築いているかどうかの視点で、企業を評価するようになってきている」と、持続可能性について関心が集まってきているとした。
活動内容としては、持続可能なパーム油の調達に関する情報収集・情報提供、調達と消費を促進する活動、メンバー相互の情報交換、外部組織に対して日本のステークホルダーの意見をまとめ交渉する窓口としての役割を担うほか、目的を達成するために必要な活動を挙げている。
理事を務める、WWFジャパンの南明紀子・自然保護室森林グループプロジェクトリーダーによれば、現時点でメンバーからは、(食品業界の参画が少ないことから)食品業界とサプライヤーの取組・参画の普及策、日本政府への働きかけ、RSPOへの提案・改善の交渉、パーム油の生産現場の支援などが活動案として挙がっているという。
今後のスケジュールについては4月15日から、正会員、賛助会員、オブザーバーを広く募集し、5月からワーキンググループを形成し今年度の活動を話し合う。5月15日にはRSPOとの会合を予定しているという。
質疑応答では、参加企業・団体の目標数について、南氏は「もう少し食品企業、サプライヤーに入ってもらいたい。また、持続可能なパーム油の促進では、日本市場全体で変わっていく必要があるため、キープレイヤーの企業にはぜひ加入してほしい」と話した。さらに、「(マレーシアの)MSPO、(インドネシアの)ISPOはまだ、RSPOと同列に扱って良いレベルではない。RSPOで進めたい企業が加入することになる」と述べた。
〈大豆油糧日報 2019年4月15日付〉