SYNCA「OKミート」おからこんにゃくヒントに開発、ミンチ・ベーコンなど形状変化を楽しめる〈大豆が拓く食の可能性〉
開発者の細谷智子氏(一般社団法人地域資源活用推進機構理事長)が顧問を務める有限会社ナチュラルファーマーズ(秋田県大館市)では、豆乳製品製造過程において廃棄処分していたおからの再利用方法を模索する中で、おからに付加価値を加えた「おからこんにゃく」に出会い、特許権者で青森県在住の岡田哲子氏(ベジタリアン料理研究家)に監修してもらいながら、「OKミート」の開発に至った。
「OKミート」開発者・細谷智子氏
「うま味成分として椎茸や麹などを付加することでおいしさをさらにアップさせた。植物由来の天然素材を主原料とし、高たん白で低カロリーなのが特徴。カロリーは鶏のもも肉の約半分、繊維質も多く、大豆たん白も豊富で、こんにゃく粉や椎茸で、食肉の食感に近づけた」と細谷氏は説明する。
また、化学調味料無添加なので、ヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリーにも対応しているという。
「大豆ミートに満足できなくなった人に試してもらいたい。大豆ミートのように臭みもなく、カットの仕方によっては、ミンチ、ソーセージ、ベーコンみたいにすることもできる。大豆ミートではできない形状の変化を楽しむことができるので、さまざまなメニューに使用できるのが大きな特徴。ラインアップは現在、オリジナルとスパイシーの2種類だが、中華向けに生姜風味の『OKミート』も開発中だ」と自信を見せる。
〈業務用素材として販売、代替肉の差別化アイテムになる可能性も〉
販売に関しては、素材として「OKミート」を外食や中食、総菜加工業者などに訴求していきたいとする。
「そぼろの代わりに使えるほか、餃子やシュウマイ、チャーハン、麻婆豆腐にも使える。中華まんもに使ってもおいしい。個人的にはホットドックがお勧めで、ベーコンの代わりペペロンチーノに使用したり、ミートソースにも使えるので、加工肉としてのメニューをほぼ網羅できてしまう」と使い勝手の良さも特徴のひとつとして挙げる。
「OKミート」を使用したホットドッグ
保存性が良いことも「OKミート」の良さとし、冷蔵・冷凍でもほとんど味が変わらないとする。「冷蔵で2カ月、冷凍で1年の保存が可能だ。缶詰での提供も考えて、テストもしている」とし、賞味期限切れで廃棄しなければいけないという心配も少ない。食品ロス削減にもつながる特性を持っている。
しかし、何と言っても一番の魅力は、湯戻しや下味付けなどといった手間が無く、すぐに調理に使えるという簡便性だ。この代替肉ブームの中で、差別化したいと考えている外食や食品加工メーカーから重宝されるアイテムになる可能性を秘めている。
同社では、「OKミート」の発売を記念して、先着50人に無料でサンプルを進呈している。
〈大豆油糧日報2021年4月12日付〉