ゼットエンジニアリング 脱炭素の切り札「スチーム・Z」展開、蒸気管理で省エネ提案
蒸気は、加熱、乾燥、加湿、凝縮、抽出、滅菌、洗浄などの工程で使用されるが、みそやしょうゆ、納豆など、発酵を伴う生産過程でも、微妙な温度変化が嫌われるため、蒸気への対応策が必要となってくる。こうした課題を解決できれば、生産性の向上や品質の安定に役に立つ。これはSDGsへの取り組みの一環でもあり、ここで救世主になってくるのが「スチームトラップ」という装置だ。
「スチームトラップ」とは、蒸気を熱源として利用している熱交換器や蒸気の配管で、蒸気が熱を放出した後に発生する邪魔な凝縮水(ドレン)を熱交換器や蒸気の配管から自動的に排出する装置のこと。迅速にドレンを排出できる事、空気や非凝縮ガスを排除できる事、蒸気を漏らさない事、長寿命である事、保守性に優れている事などが求められる。
〈村上社長「故障や劣化による蒸気漏れが無く、半永久的に使用可能」〉
「スチームトラップ」にはフロート式やバケット式、ディスク式などが存在するが、どれも経年劣化により、蒸気漏れの量が増えていくため、取り換えや修理が必要となってくる。
そこで、注目され始めているのが、ゼットエンジニアリング(東京都江戸川区)のスチーム・Z(オリフィス型スチームトラップ)だ。構造がシンプルで壊れにくいのが特徴。
ゼットエンジニアリング「スチーム・Z」カットモデル
ゼットエンジニアリングの村上仁士社長によれば、「作動弁が無く、ステンレス製で、故障や劣化による蒸気漏れが発生しないので、半永久的に使用可能だ」という。また、他社製品と比べて重量が1/5と省スペースで凍結防止対策にも最適だとしている。
ゼットエンジニアリング・村上仁士社長
「オリフィス型スチームトラップ」の構造は、円孔(オリフィス)が空いているだけで、そこから連続して少しずつドレンを排出することができるので、従来の機械式トラップとは異なり駆動する弁が無いため、経年劣化はしない構造となっている。ただ、選定するために事前調査が必要で、ドレンの流量と変化を計算しなければいけないため、一つひとつがオーダーメイドとなり、他のタイプよりも高価だが、数年で元が取れるとしている。
ゼットエンジニアリングは1984年の創業で、国内では1,000を超える企業に、オリフィス型スチームトラップの販売実績を持つ。欧州やアジアなど海外でも蒸気管理による省エネルギー事業を展開している。
「スチーム・Z」と既存スチームトラップの蒸気漏れ量相対比較
〈大豆油糧日報2022年2月25日付〉