昭和産業「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」など発売へ、おうち時間での食生活・内食の変化に着目/2022年秋冬新商品
7月27日に千代田区の本社で、感染対策を万全にした上で、2019年以来3年ぶりに新商品発表会がリアル開催された。新商品の中でも、少ない油で焼いて調理できる「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は、新たな天ぷら革命を起こすことを目指した新機軸の商品とし、商談中の流通からも、現在の環境下で支持される商品と好評だという。
山口龍也取締役常務執行役員は冒頭のあいさつで、「家庭用食品事業はコロナ禍で伸長した内食需要を背景に、堅調に推移しており、健康、簡便、時短関係の商品が根強く支持されている。家庭内の時間が増えたことで、エンジョイというキーワードも付加された。作ることや作る時間、質を楽しむといった食事をエンジョイする選択が増えたことはビジネスチャンスと捉えている。当社の油脂類では、こめ油、オリーブ油、ひまわり油などの健康プレミアム油の販売が増加し、油脂の構成比を高めているが、主力の天ぷら粉やホットケーキミックスなど、従来から人気のあるプレミックス製品は、総合的な売場提案を行いつつ新商品の導入により、更なる活性化を図っていく」と語った。
昭和産業・山口龍也取締役常務執行役員
続いて、河津大輔商品開発研究所長は新商品について、「コロナ禍でおうち時間が増えており、自宅での過ごし方、家族との過ごし方が多様化している。この多様化したおうち時間での食生活の変化、特に内食の変化に着目した商品が必要だと考え、さまざまな調理のシチュエーションを念頭に開発を進めた。内食が楽しくなって、もっといろいろ作りたい人に向けたアレンジ可能な商品、プチごほうびの機会が減った人に向けたプチぜいたく商品、内食の良さを再認識したが、つくるのが大変という人向けの手間いらずの商品を提案する」と述べた。
〈「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は少ない油でもザクザクした食感に〉
各商品の開発背景や特徴については、商品開発研究所の石井圭子家庭用グループリーダーが説明した。「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」については、「天ぷらを揚げて食べない人は、油の処理が面倒、手間がかかる、キッチンが汚れる、少量だけ作るのが大変などから敬遠しているのではと考えた。天ぷら調理を簡単なものにすれば、調理頻度が増えるのではという発想から、焼いて作れる天ぷら粉の開発に着手した」と説明した。大さじ3杯ほどの油で、表裏の両面を各3分焼くだけで天ぷらが作れる。少ない油でもザクザクした食感を得られる配合にしており、社内アンケートでは96%がザクザク食感を感じると回答したという。
鈴木雄一食品部長は販売戦略の説明の中で、「天ぷら粉の昭和産業と言われるが、現在の天ぷら調理の悩みを解決すべく、新たな天ぷら革命を起こしたいと考え、新機軸の商品を上市する。最大の特徴は揚げないということだ。昨年来、食用油が値上げとなる中、わずか大さじ3杯の油で天ぷらを作ることができる。新たな調理シーンを提案し、もっと気軽に、もっと手軽におうち天ぷらを提案する。年間販売金額は6,000万円を予定している」と述べた。
流通からの反応については、「商談を重ねる中で、いまの環境下において支持される商品という評価をもらっている。目標金額は手応えではもう少しいけるのではという配荷を見込める」とした。大手卸の展示会では、カット野菜とコラボした方がいいという意見ももらったという。
「アレンジいろいろホットケーキミックス」は、卵、乳製品は不使用となっており、甘さ控えめで朝食やおやつにも最適だとする。年間販売金額は4億9,000万円を見込む。
昭和産業「アレンジいろいろホットケーキミックス」
「焼きたてフィナンシェミックス」は、コロナ禍の影響で、自宅で食べるスイーツにぜいたく感、特別感が求められるようになったと仮説を立て、市場でトレンドの焼きたてフィナンシェに注目した。発酵バターを使い、家庭でもカリっとした焼きたての食感で食べやすく、ほろふわな食感に仕上げた。年間販売金額は1億円を予定している。
昭和産業「焼きたてフィナンシェミックス」
〈大豆油糧日報2022年8月1日付〉