年明けうどん 小売り苦戦 外食は好調
正月元旦から15日までの間に赤い具をのせたうどんを食べる「年明けうどん」が提案されて今年で9年目となる。外食店でも正月メニューとして定着しつつあり、即席めんでも毎年カップめんが発売されている。年末には香川県で「年明けうどん大会」が開催され、全国から「年明けうどん」メニューが集まる。CVsやスーパーでもセットめんや調理めんとして販売され、年越しそばと肩を並べる年末年始のめん需要となりつつあるのか。今年の動きを追った。
販促ツールの販売や商標使用の登録を管理している年明けうどん普及委員会(香川県高松市)によると、年々登録件数は増加しており、今年は昨年より23件増え、733件の登録があった。12月10・11日には、高松市内で「全国年明けうどん大会」が開催され、昨年より多い4万1800人が来場、全国17道府県に加え、台湾の年明けうどんメニューも登場し、計25ブースの出展があった。また、県内で年明けうどんを提供している外食店は100店を超え、大会パンフレットやHP上で紹介している。
外食チェーンのグルメ杵屋(大阪市住之江区)は手打ちうどん店「杵屋」など159店舗で「たこあげうどん」(定食917円、単品769円、税別)を1月1日から20日まで販売した。大阪のたこ焼き店「たこ昌」のたこ焼きとエビの天ぷらをトッピングしたうどんで、正月の定番メニューとして定着してきた。昨年までは15日までの展開だったが、客からの要望もあり、20日まで期間を延長した。売上構成比も昨年の3・7%から増え、4・5%となっている。出品数は2万7,819食と好調だった。セルフうどんチェーン大手の「丸亀製麺」は昨年に引き続き「大海老うどん」(並590円、大690円)を12月28日~1月9日まで、新メニュー「年明けラフテーうどん」(並690円、大790円)を1月1日~9日まで、全国778店舗で販売した。大海老天1本にかまぼこ、梅干し、とろろ昆布をトッピングした「大海老うどん」は新年メニューとして定着してきた。「ラフテー」には赤い具がないが、新年のゴージャスな肉もの商品として訴求、ともに売り上げは好調だった。
小売では少々苦戦した。恩地食品(大阪府枚方市)は昨年に引き続き「年明け 梅わかめうどん」(198円)を1日から発売、導入店舗が減少したことで売上は前年比10%減となった。同社ではこの時期、通常商品のゆでうどんにも「年明けうどん」のロゴマークを入れて販売しており、認知度向上に貢献する。クリタエイムデリカ(埼玉県越谷市)は「梅かつお」(298円)と「海老天&きつね」(398円)、「お雑煮うどん」(398円)を12月31日から1月5日まで発売した。今年はとろろ昆布のトッピング追加、海老天のサイズアップなどリニューアルを加えた。出荷数は前年比7%減となったが、流通サイドからは「今後も育てていくべきカテゴリ」と評価されている。売り場づくりが難しいという意見も受けており、アウトパック商品が望まれている。
即席めんでは日清食品が「どん兵衛年明けうどん」(180円)と、酉年にかけて「ごんぶと年明け鶏白湯うどん」(270円)の2商品を販売、売上は計画通りに推移、「じょじょに定着してきた」とする。