今年で8年目 年明けうどん 流通「育てていくべき商品群」と期待
正月元旦から15日までの間に赤い具をのせたうどんを食べる「年明けうどん」が提案されて今年で8年目となる。うどんチェーン店でも正月の定番メニューとして定着しつつあり、即席めんでも毎年カップめんが発売されている。年末には香川県で「年明けうどん大会」が開催されており、全国から「年明けうどん」メニューが集まる。CVsやスーパーでもセットめんや調理めんとして販売され、年越しそばと肩を並べる年末年始のめん需要となりつつあるのか。今年の動きを追った。
販促ツールの販売や商標使用の登録を管理している年明けうどん普及委員会(香川県高松市)によると、年々登録件数は増加しており、今年は昨年より28件増え、710件の登録があった。12月12・13日には、高松市内で「全国年明けうどん大会」が開催され、4万200人が来場、全国17道府県に加え、台湾の年明けうどんメニューも登場し、計25ブースの出展があった。会場では「うどんかるた」の発表もあり、昨年を上回る盛り上がりをみせた。
外食チェーンのグルメ杵屋(大阪市住之江区)は手打ちうどん店「杵屋」など167店舗で「たこあげうどん」(定食917円、単品769円、税別)を1月1日から15日まで販売した。大阪のたこ焼き店「たこ昌」のたこ焼きとエビの天ぷらをトッピングしたうどんで、正月の定番メニューとして定着しつつある。16年の販売数は前年比9・7%増、2万1,542食と伸長した。セルフうどんチェーン大手の「丸亀製麺」は昨年に引き続き「年明け 大海老うどん」(並590円、大690円)を全国780店舗で12月28日~1月17日まで販売した。大海老天1本にかまぼこ、梅干し、とろろ昆布をトッピングしたもので、新年らしい華やかな見た目が特徴的だ。売上は昨年同様「好調」とし、「“新年は年明けうどん”が年々定着しているように感じる」(広報グループ)と語る。
小売では大手CVsで売上が伸長した。関西のベンダーによると、1月1日からの3日間で売上は前年比10%増、材料の品切れで完売という結果になった。家庭でどのように調理されるかはわからないが、うどん単品も好調だった。「曜日まわりの関係で遠出する人が少なかったのでは」と分析する声も。恩地食品(大阪府枚方市)は「年明け 梅わかめうどん」(198円)を1日から1週間発売、大手スーパーでの定番化により前年比50%増と売り上げを伸ばした。クリタエイムデリカ(埼玉県越谷市)は「梅かつお」(294円)と「海老天&きつね」(398円)に加え、新商品「お雑煮うどん」(398円)を発売、取扱い店舗数は前年より減らしながらも、3品で前年比33・5%増(既存2品では0・7%増)と好調に推移した。取引先からは「育てていくべき商品群」と期待を寄せられている。
即席めんでは日清食品が「どん兵衛」(180円)「ごんぶと」(220円)の2ブランドで展開、売上は計画通りに推移、「じょじょに定着してきた」とする。