カップ麺の好調続く
2015年はカップ麺が引き続き市場を拡大した。本紙で掲載しているKsP-sPのPOsデータによると、2015年のカップ麺の売上金額は2・28%増加。数量が3・42%減少したが、平均単価が5・90%増加した。
スタートの1月は即席麺メーカー各社が値上げを実施。概ね5~8%の引き上げ幅で、レギュラータイプのカップ麺の製品価格を170円から180円としたケースが多い。そのため、メーカー、ブランドによって違いはあるが、1~3月の販売は前年同月を割るケースも散見された。
その後の動きについて、「大きく2極化が進んだ」との指摘がある。いわゆるトップブランドが強さを見せる一方、オープンプライス商品の中でもコストパフォーマンスが高い製品が売上を伸ばした。カップ麺トップブランドである日清食品の「カップヌードル」は値上げ後の環境下で、一時的に数量を減らしたが、リニューアルなどの仕掛けで数量を盛り返し、平均単価も上昇させた。東洋水産の「ごつ盛り ソース焼そば」は、値上げの対象外の商品。平均単価はほぼ変わっていないが、数量が1・5倍以上の伸びを見せる。オープンプライス商品の中でもコストパフォーマンスの良さが評価され、前年の19位から8位にジャンプアップした。
商品別で特筆すべきはまるか食品の「ペヤング」だ。年間の順位が昨年の12位から10位に上昇している。ペヤングは昨年の5~7月にかけて全国で生産・販売を再開しており、約半年分の売上が前年を超える売上となった(ペヤングの製造・販売を休止したのは2014年12月)。
カテゴリ別でも「焼そば」は好調。日清食品の「U.F.O.」や明星食品の「夜店の焼そば」も売上を拡大した。
2015年のカップ麺は平均単価を上げ、数量も価格改定前の水準に戻っている。流通・消費者の理解を得た形だ。2016年も新機軸の商品投入が計画されており、引き続き市場拡大が期待される。