大阪コメ「近畿コシ」、東京コメ「関東雑」に標準品変更=堂島商取
大阪堂島商品取引所(岡本安明理事長)が26日の理事会で決め、即日申請した業務規程の変更を、監督官庁である農林水産省が27日、認可した。変更は、コメ先物「標準品」の変更。名称としては、現在は〝通称〟にすぎない「大阪コメ」・「東京コメ」をそれぞれ採用する。実際には、大阪コメの標準品を、北陸コシヒカリ(福井、石川)から、近畿コシヒカリ(三重、滋賀)に切り替える。東京コメの標準品は、関東コシヒカリ(茨城、栃木、千葉)から、関東雑(栃木あさひの夢、群馬あさひの夢、埼玉彩のかがやき、千葉ふさおとめ、千葉ふさこがね)に切り替える。新穀限月(大阪コメ4月13日から、東京コメ4月21日から始まる10月限)から適用する。
今回の標準品変更は、言わば「実態にあわせた看板のかけ替え」。現物受渡の仕組みや価格調整表(格付表)は変えないので、実態に変更はない。堂島はすでに25日の総会で決めた事業計画のなかで、「東京コメが『業務用米』の価格指標であること、大阪コメが『一般コシヒカリ』の価格指標であることをより明確にするため、実態を変えることなく、これらをより代表する標準品に変更するなど、価格指標としての機能を広く浸透させていく」と説明していた。大阪コメを例にとると、「2013年10月限以降、それまで格上銘柄だった新潟コシと富山コシの調整額をゼロに、また格下銘柄を一律▲300円に縮小したことから、実質的に低価格帯のコシヒカリをターゲットにした市場に変貌した。そのため当然の帰結として、標準品である北陸コシの現物価格と先物価格との間に乖離が生じ、『先物価格は、何の価格を形成しているのか極めて分かりにくい』との指摘がある。また先物市場を現物の調達先として参入(もしくは参入を検討)する当業者にとって、実際の受渡品と標準品との差異に戸惑いがある」のが変更の理由だ。
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