2015年度から新たに「米加工包装容器助成事業」実施=全麦連総会
全麦連(全国精麦工業協同組合連合会、土持寿翁会長)は27日、2015年度(平成27年度)通常総会を開催、2014年度事業報告・決算、2015年度事業計画・予算など全16議案を承認した。冒頭挨拶した松崎正志副会長(会長職務代行)は、土持会長の挨拶文を代読し「昨年は、消費税率引上げにより国内消費支出が伸び悩み、地方ほど厳しい1年だった。また円安による原料価格上昇にも直面し、食品・飼料とも価格転嫁が厳しい状況にあった。このような中、全麦連の取扱数量は、食糧用麦では、近年業界で積極的にPRしてきた大麦β-グルカンの健康効果がマスコミで取り上げられる機会が増え、焼酎用麦も下げ止まり傾向が見られ、前年度比20%増となった。飼料用麦は、飼養頭数の減少等から7%減、米加工(変形加工)は、国産加工用米・特定米穀価格の大幅下落により17%減にとどまったが、合計では0.2%減とほぼ横ばいの67.7万tとなった。今年度は、主食用麦については機能性表示制度をテコに積極的なPR活動を展開する。焼酎用は、豪州産新品種の適性試験を実施する。飼料用は、日豪EPA協定発効に伴い豪州産の安定供給と、国産飼料用米への積極的な取り組みを図る」とした。
2014年度の取扱い実績は、精麦用原料麦の買取は、前年度比20.1%増の25.1万t(うち国産8万t・0.5万t増、外国産17.1万t・3.7万t増)、学校給食用精麦の供給1,820t、法務省等納入精麦2.261t、政府所有米穀等の加工数量は7.62万t(MA米委託加工4.27万t・約46%減、輸出精米加工3.36万t・約160%増)。飼料用輸入麦の供給量は、飼料全体のsBs契約数量(大麦95.4万t、小麦36.4万t)のうち、全麦連は傘下工場の共同購入で、大麦9.8万t、小麦0.4万tの契約・買付を行った。
2015年度事業計画では、国産麦の安定供給、外国産麦の安定供給、食糧用麦名素の需要拡大促進、新たな機能性表示制度への対応等に取り組む。豪州産大麦の新品種「ラトロープ」(2015年3月にモルト格取得)をコンテナロットで輸入し、精麦・醸造適性を評価確認して、次年度以降の買受に備える。また、米穀加工関係では、2015年度から新たに「米加工包装容器助成事業」を実施する。