年間取扱量約7万tの全量を精米販売=幸南食糧・五十嵐良一専務①
大阪府松原市に本社を構える幸南食糧㈱(川西孝彦社長)は、「玄米の栄養素を残して精米する」機能精米「金賞健康米」の開発、おかゆパック商品で業界初の機能性表示食品などの取り組みを進めている。同社の五十嵐良一専務(写真)はこのほど、本紙の取材に以下の通り述べた。
〈幸南食糧の成り立ち〉当社は1976(昭和51)年に設立し、今年で40周年。松原市内で小売店「川西米穀店」を営んでいた先代社長(川西修・現会長)が、近隣に大手スーパーが出店したことを機に卸に転じたところがスタートだ。その経緯から、取引先には米穀店がほとんどない。
他の卸と大きく違う点として、基本的に玄米販売はしない。約7万tの年間販売量は全量を精米している。
玄米販売は右から左に売るだけになりやすく、価格競争だけで決まる面がある。それと比べれば白米を売っていくには、人も手間もかかるが、「動かしているのは米だが、扱うのは全て人だ」という、会長の考えから全てが始まっている。ただの物売りにはならず、「同じ買うなら幸南食糧から」と言われることを目指し、商品開発やセミナー・シンポジウムなどにも取り組んでいる。
当社には特定の一顧客だけで売り上げ全体の1割以上を占めないようにする方針がある。1割を超えると、その顧客の下請け化する可能性がある。急に「要らなくなった」と言われれば影響は大きく、倒産のリスクも出てくる。1割を超えたときには、全体の売上を上げることで相対的に比率を落とす。
未検査米、外米は一切扱わない。事故が起これば顧客に不安を与える。信用を得るにはそこまでしなければいけないということだ。
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