新法「農業経営サポート保険」、農済制度改正案、次期国会上程へ
自民党は18日、農業基本政策検討PT(宮腰光寛座長=衆・富山2区)を開き、農業保険制度と農業共済制度(農業災害補償制度)をめぐる論議の「論点整理」を行った。農林水産省が提出した論点整理案は了承され、残るは最後のとりまとめだけとなった。したがって農業保険制度と農業共済制度は、来年の通常国会への法案提出が事実上、本決まりになったことになる。なお収入保険の名称は『農業経営サポート保険』を例示している。
懸案だった唯一の加入要件「青色申告の5年継続」は、「加入申請時に1年分あれば可。ただし申告実績が5年になるまで補償限度額を段階的に引き上げる」ことで決着した。このため、この日の会合では、青色申告「問題」に対する声は鳴りを潜め、俎上に上ったのは農済の一筆方式や無事戻しの「原則廃止」。理由は「母数(加入者数)の確保が課題で、そのためには一筆方式や無事戻しは明らかな魅力」だから。「廃止が理屈上ただしいのは分かるが、であれば加入促進は何とかならないか」。これに対し、農水省の大澤誠経営局長は「仰る通り。だから『所要の移行期間を設けて』と、あえて年限を区切らずに記した。加入促進には全力をあげる」と応じた。また法案は来年の通常国会に提出するものの、「一定期間経過後に見直す」ことを盛り込み、このため「見直しを円滑に行えるようにしておく必要があるため、本法にはあまり細かいことを書き込まず、政省令で迅速に見なすことができるようにする」(大澤局長)とした。
ただし、この日の会合では、ただ一人だけ「なぜ青色申告だけが対象なのか。別に白色でもいいではないか」と発言した議員がいて、総体の議論を停滞させた。この議員、ここまで一度も議論に参加せず蒸し返しただけ。「それでは賛成できない」「致し方ない」と、ほとんど喧嘩別れのような恰好で決着している。「論点整理」の概要は以下の通り。
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