【需給俯瞰】第4回SBS入札、大量残が発生 応札意欲あっても価格あわず「高すぎて落とせない」
農林水産省は7日、2017(平成29)年度第4回(米の)SBS入札を実施した。予定数量2万5,002t(第1回の残2tを積み増した)の1.25倍にあたる3万1,131tの応札が入ったものの、落札1万104tにとどまり、1万4,898tの残を出した。落札率40.4%は2017年度最低水準。応札数量が前回より1万t以上減少した、つまり過熱感が冷えたのは事実としても、予定数量を上回る応札が入っているのだから、「応札意欲がない」わけではない。大量の残が発生した原因はやはり価格にあるのであって、参加者からは「高すぎて落とせない」との悲鳴が聞かれる。本来ならこれで2017年度のSBSは終了するはずだったが、年度末までまだ1か月以上あるため、残1万4,898tを対象に第5回SBS入札を実施する可能性が高い。
一般米枠の加重平均落札価格(kg当り裸)は、買入(商社売り)108.3円(前回比8.3円安)、売渡(卸購入)191.0円(前回比14.9円安)、マークアップ平均82.7円(前回比6.6円安)。軒並み圧縮された恰好だ。
このうち一般米枠の39.4%にあたる2,380tが落札されたアメリカ産うるち精米中粒種(カルローズが中心とみられる)は、加重平均落札価格が、買入112.2円(前回比1.2円高)、売渡193.7円(同5.3円安)、マークアップ平均81.5円(同6.6円安)となった。
ある関係者は「もう残り少ないだろうから輸入価格が上がってしまうのは仕方ない。国内流通原価は、特定の実需と契約済みの業者なら、なりふり構わず落としにいくだろうが、そうでない業者の場合は…。調整金も買い戻しも封じられていることもあり、確かに“今”は国産価格が上がっているが、今回の落札玉の引渡期限は4月2日以降9月28日まで。その頃、国産価格がどうなっているか分かったものではないから、kg200円を切っていてくれないと、とてもではないが応札できない」と指摘している。
〈米麦日報 2018年2月9日付より〉