硫黄山噴火で1,400戸・1,230haの水田が30年産作付を断念

米麦日報 2018年5月24日付
農林水産省は23日の自民党・農林合同会合に、霧島連山の硫黄山(宮崎)噴火(4月19日15時39分)に伴う被害と対応状況を報告した。

それによると、人的被害、建築物被害、ライフライン被害いずれも皆無だが、噴火の影響で長江川と川内川に白濁を確認。水質調査の上、この河川から水を引いている1,400戸・1,230haの水田で平成30年産主食用水稲の作付を断念している。

作付を断念した面積の内訳は、宮崎県えびの市650戸・460ha(5月6日にえびの市が取水中止を決定)、鹿児島県伊佐市500戸・550ha(5月2日に市農業再生協議会が水稲作付・取水の中止を決定)、鹿児島県湧水町250戸・220ha(5月2日に粟野土地改良区と吉松土地改良区が水稲作付・取これら農家では水を引かなくても営農できる作目への切り替えを進めているところで、農水省では、大豆や飼料作物へ切り替えた場合、「水田活用の直接支払交付金」戦略作物助成(10a3.5万円)や産地交付金(地域農業再生協議会ごと要件・単価が異なる)の対象となることを呼びかけている。

また大豆の場合はゲタ(畑作物の直接支払交付金)の面積払い(10a2万円)と数量払いの対象にも。さらに農水省は、被災によって作物転換などに取り組む産地に対して必要となる種子・種苗の購入や農業用機械のリース・レンタルに係る経費を助成(1/2)する「硫黄山噴火対応産地緊急支援事業」を設定。「作付けない場合も、水稲共済の対象となる」としている。

〈米麦日報 2018年5月24日付より〉

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