2017年度カロリー自給率は±0ポイントの38%、生産額は下落の65%
農林水産省は8日、2017(平成29)年度の食料自給率と食料自給力指標(ともに概算値)を公表した。それによるとカロリー(供給熱量)ベース自給率は、前年度(確定値)と変化なく38%となった。「2016(平成28)年に天候不順で減少した小麦、甜菜の生産が回復した一方で、米について食料消費全体に占める割合が減少したことや、畜産物における需要増に対応し、国産品が増加したものの、輸入品がより増加したこと」などが原因。生産額ベース自給率は前年度を2ポイント下回る65%。生産額ベース自給率が前年度を下回るのは3年ぶり。その要因は「国産米の価格上昇により米の国内生産額が増加した一方で、円安の影響もあり、畜産物や魚介類の輸入額が増加したこと」など。
一方、2014(平成26)年度から新設された食料自給力指標(概算値、1人1日あたり)は、昨年度まで微減傾向にあったが、一部に変化が生じた。▽パターンA(栄養バランスを一定程度考慮して主要穀物を中心に熱量効率を最大化して作付)=1,420kcal(前年度比22kcal減)▽パターンB(パターンAで栄養バランスを考慮しない)=1,814kcal(同8kcal増)▽パターンC(パターンAでいも類を中心に作付)=2,316kcal(同17kcal減)▽パターンD(パターンCで栄養バランスを考慮しない)=2,647kcal(同3kcal増)。昨年度までと同様、主要穀物中心のパターンA、パターンBは、ともに推定エネルギー必要量2,147kcalを下回った一方、いも類中心のパターンC、パターンDは、ともに上回った。
〈米麦日報 2018年8月9日付より〉