乾麺グランプリ2018 半田手延そうめん協組がグランプリ 「すだち香る阿波尾鶏と山芋の冷たい半田そうめん」

「すだち香る阿波尾鶏と山芋の冷たい半田そうめん」
〈そば=(株)おびなた、うどん=赤城食品(株)、中華麺=茂野製麺(株)が部門優勝〉
全国乾麺協同組合連合会(全乾麺、髙尾政秀会長)と(株)日本アクセス(佐々木淳一社長)は18、19日、東京・日比谷の日比谷公園で「The乾麺グランプリ2018」を開いた。全乾麺会員の乾麺メーカーと、食品卸の日本アクセスが協力して行う、乾麺の食べ比べができるイベント。昨年に第1回を行い、今回は2回目。

栄えあるグランプリには半田手延べそうめん協同組合の地元・徳島の食材を活かした「すだち香る阿波尾鶏と山芋の冷たい半田そうめん」が輝いた。半田そうめんは200年以上の伝統を誇る徳島・半田のそうめん。やや太めでコシが強いのが特徴だ。今回のメニューには徳島の地鶏「阿波尾鶏」の照り焼きをトッピング。温玉、すだち、ねぎも「徳島づくし」で揃えた。「皆さんのおかげでグランプリを取ることができた。これからも乾麺が盛り上がるように頑張っていきたい」(半田手延べそうめん協同組合)。

「グランプリ」を決めるシステムはシンプルだ。来場者による投票数で決定する。来場者は投票シール付の食券を購入(入場無料、1杯400円・税込)。全国から集まった21メニューを食べ比べて、“美味しい”と思ったメニューの出展社ボードにシールを貼って投票する。グランプリの半田手延べそうめん協同組合は1,379票を獲得した。

準グランプリは1,076票獲得のキッコーマン食品(株)の「日本そばで台湾まぜそば」。麺は星野物産(株)の「信州小諸七兵衛」を使用。だし醤油にこだわった逸品だ。

グランプリ・準グランプリの記念撮影

グランプリ・準グランプリの記念撮影

また、麺の種類ごとの部門優勝と特別賞に輝いたのは、

△そば部門=(株)おびなた「信州戸隠 冷製チーズあえ蕎麦粉雪仕立て」・国産そば粉を8割使用した蕎麦に、チーズとジェノベーゼを合わせた。

△うどん部門=赤城食品(株)「上州麦豚と夏野菜の冷しカレーうどん」・和風だしで割ったクリーミーなカレーと、群馬名物の平めん「ひもかわ」を合わせた。臭みのない上州麦豚も合わせた「上州づくし」。

△そうめん部門=半田手延べそうめん協同組合「すだち香る阿波尾鶏と山芋の冷たい半田そうめん」。

△中華麺部門=茂野製麺(株)「炙りチャーシューとメガ盛もやしナムルの冷製中華」・冷水でしっかりとしめた乾麺の中華麺の食感が楽しめる。ガーリックベースのごま油が香るもやしナムルと、下にたまった和風つゆが2段階で楽しめる。

△特別賞(全乾麺賞)=日本製粉(株)「亜麻仁の恵み豚の冷しゃぶなめ茸とろろそば」・アマニずくしの和風そば。トッピングの豚冷しゃぶはアマニの飼料で育った「オメガバランスポーク」を使用。

△特別賞(日本アクセス賞)=カゴメ(株)「夏仕立て! ごろごろ野菜と豚しゃぶの旨トマそうめん」。揖保乃糸とラタトゥイユのマリアージュ。大きめにカットした彩り野菜を活かした。

中華麺部門優勝 茂野製麺・茂野和彦社長

中華麺部門優勝 茂野製麺・茂野和彦社長

また、麺だけでなくアルコール飲料の販売、赤城乳業(株)の氷菓「ガリガリ君」の配布イベントも実施。スマホ決済サービス「Origami Pay」を導入し、食券の購入もできるようにした。全乾麺の安藤剛久専務は、「この時期にしてはさわやかな風が吹き、フォローの風になった。全国から集まった21メニューを楽しんでいただいている。乾麺はもり、かけといった食べ方が定番だが、少し工夫すると違った味になる。それが洋であれ和であれ中華であれ、乾麺はどんなメニューも作ることができる。好みは割れるが、そうした味をひとつの会場で楽しめるイベントになった。“夏料理”として楽しんでいただけたのではないか」とコメント。また、「夏が過ぎても暑い時期が続く。乾麺は消化も良く疲れた体に優しい。今日来てくれた方々は、家の冷蔵庫の中身と組み合わせたら、こんなメニューができるのではと思ってくれたのではないか」とも。

全国乾麺協同組合連合会 安藤剛久専務

全国乾麺協同組合連合会 安藤剛久専務

日本アクセスの佐々木社長は、「非常に天候にも恵まれた。昨年は屋内で実施したが、このシーズンの暑い時期に野外でやるのが一番と思って実施した。予想以上に盛況でありがたく思っている。来場していただいた皆さんの顔が“美味しい”と言っていて嬉しい。新しいメニュー提案で少しでも乾麺の需要が上がってくれたら。こうした卸だけでもメーカーだけでもできないイベントを通して、多くの方に乾麺の魅力を訴えていきたい」とした。次回に向けては、「来年も是非継続したい」との考えだ。

日本アクセス 佐々木淳一社長

日本アクセス 佐々木淳一社長

赤井慎一郎取締役は、「屋外での実施は雨天になるといったリスクもあるが、今回はチャレンジした。小売のバイヤーの方にも多数来場いただくことができた。また、当社はフルライン化を強化しており、今回からアルコール飲料の販売も取り入れた。カップルや夫婦で来場いただく方が多く、ファミリーメニューとして乾麺を楽しんでいただけたのではないか。若い人が多く、一番アピールしたい層に乾麺を知ってもらう機会になった」と手応えを語った。また、会場のスタッフから「外国の方の来場も多く、インバウンド効果を感じた。『初めてそうめんを食べた』という方もいた」との声があった。

会場の様子 多数の来場者が訪れた

会場の様子 多数の来場者が訪れた

西潟修治乾物乾麺MD部長は、「10年前の乾麺コーナーは、海苔があったり調味料があったりと、関連商材があって色があった。しかし、最近は乾麺とつゆだけというケースも多い。大手食品メーカーにも協力いただき、加工食品と組み合わせた色々なメニュー提案も進めていきたい」とした。

〈米麦日報 2018年8月21日付より〉