東洋水産「スマイル“フード”プロジェクト in 東北 2018」、優勝は農業経営者クラブ「宮城の冬越し松葉汁」

〈郷土料理「松葉汁」をアレンジ〉
東洋水産(株)(今村将也社長)は11月17日、東京・品川の本社で「スマイル“フード”プロジェクト in 東北 2018」の決勝大会を開いた。「カップ入りフリーズドライスープ」をテーマとしたレシピコンテスト。東北地区の「食」に関係するコースのある高校等の高校生が対象。今回は前回を大幅に上回る30校130チーム(前回は19校68チーム)が参加した。書類審査により東北6県の各県代表チームを選出。決勝では代表6チームが腕を競い合った。優勝は宮城県代表の宮城県農業高等学校のチーム「農業経営者クラブ」の「宮城の冬越し松葉汁」。農業経営者クラブは昨年の準優勝チーム。チームの3名中2名は昨年も参加していた。メンバーは「昨年のリベンジができた。卒業した先輩に優勝を伝えたい」と喜びを語った。

審査員は東洋水産グループの役員・社員6名。審査員長は沖斉常務。表彰式で審査講評した的場勉執行役員加工食品部長は「票が分かれて、わずかな差で宮城県代表が優勝した。宮城県代表の作品はコンセプトがしっかりしていて、地元を知ってもらおう、盛り上げようという地元愛を凄く感じた。私たちは商品を作るときに、どうして作るのか、どう売上を作るのか、そうした思いが強くないと商品が育たないと考えている。プレゼンも素晴らしかった。私たちもプレゼン大会をしたことがあるが、それよりも素晴らしい出来映えと思った」とした。また、「勝った負けたではなく、今回の企画の経験を帰ってから学校の皆に話し、悔しさは次の世代の力に変えて、また参加して欲しい。何年か後には皆さんのうちの誰かが、食品メーカーで開発やマーケティングの仕事をしているかもしれない。そこでお会いできるのを楽しみにしている」とエールを贈った。

右端=沖審査員長

右端=沖審査員長

「松葉汁」は宮城県石巻発祥の郷土料理で、具材の大根の細切りが「松葉」に見えることから名付けられた。農業経営者クラブは松葉汁を若者にも楽しんでもらう視点でアレンジ。今回のレシピでは地元の酒造会社の酒粕と、宮城産大豆「ミヤギシロメ」の豆乳をベースにスープを作り、具材にはパプリカと柚子入りの「黄つみれ」とシソとレンコン入りの「緑つみれ」を合わせた。
 
東洋水産は来秋を目処に優勝作品を期間限定発売する予定だ。
 
全国大会進出の各県代表チーム、レシピは以下の通り。

△八戸海藻計画(青森県立八戸商業高校)=八戸の魅力食べてけろ~海藻ごっつりワンタンスープ
△どべっこ3(岩手県立遠野緑峰高校)=どべっこ遠野野菜スープ
△農業経営者クラブ(宮城県農業高校)=宮城の冬越し松葉汁
△MYA(秋田県立金足農業高校)=親子丼!?スープ~秋田Ver
△チームほっこり2(山形県立庄内農業高校)=だだちゃ豆のほっこりスープ2
△2年 家庭クラブ(福島県立小野高校)=うつくしまふくしま小野町の味「まんがこ風スープ」
 
〈米麦日報 2018年11月20日付より〉