「第1回 多収米EXPO」、最優秀賞は能登米道楽・匠の会の「さいかい」
(一社)広域農業支援センター・北群渋川農協・渋川市からなる「しぶかわ農業フォーラム実行委員会」は12月4日、群馬県渋川市で「第1回 多収米EXPO 農業フォーラム in しぶかわ」を開催した。協賛は木徳神糧(株)・静岡製機(株)・(株)アイホー炊飯総合研究所・(株)クボタ。
全国の生産者が栽培した多収米を表彰するイベントで、最優秀賞には能登米道楽・匠の会(石川県)の石井昌嘉氏が栽培した「さいかい」(西海304号)が輝いた。
反収8俵以上という条件の下、1次審査では静岡製機(株)の機器を用いて測定した食味値・整粒値を加味し、2次審査では(株)アイホー炊飯総合研究所が出品米を業務用炊飯米として評価した。そして当日の食味官能試験を経て、決勝に残った5出品米から最優秀賞を決めた。
主催者の一人である北群渋川農協の今井勉組合長は、「需要ある良食味多収米栽培の取組に賛同している各生産者が集い、栽培体系・成功事例を情報交換することで、多収米栽培の魅力を全国に発信していきたい」と挨拶。
また、木徳神糧(株)の三澤正博専務は「我々が販売している米の状況は、家庭で炊飯する米が激減している。足元の状況を見ると、従来のコシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれなどが苦戦しており、また、各産地が投入している高価格帯の新品種も同様だ。一方、業務用の実需者が使っている米はまだ踏ん張っているが、ここ5年の米価上昇もあり、弁当などの米の使用量は自然減ではない減少が続いている」とした上で、「当社はそうした減少に歯止めをかけるために、近年は生産者・実需者との三者で多収米作りを推進している。もう全国で4,000t程度まで拡大しており、令和2年産では1万tを目指している。作って頂かなければ実需にも届かないので、皆様のお力添えをお願いすると同時に、生産者と実需者、さらには消費者全てから喜ばれる取組・事業にしていきたい」と、生産者の積極的な参加を呼びかけた。
〈米麦日報 2019年12月6日付〉