菓子用小麦粉をブランド化、“くちどけの極み”「宝笠印(たからがさじるし)」/増田製粉所

第49回食品産業技術功労賞 マーケティング部門
菓子用小麦粉のブランドとして誕生して112年になる。原材料である小麦粉がブランド化していること自体が非常にまれであり、菓子業界では知らぬ人はいないという有名な小麦粉だ。

創業から同社が常に追い続けてきたのは「できるだけグルテン形成が少なく、また、泡立てた気泡を優しく包んで壊さない」製菓用小麦粉だった。110年を超える歴史の中で、独特の粉作りを見つけ出し、長年にわたって改良を続けてきた。原料小麦の吟味はもちろんのこと、小麦の特性を充分に引き出せるよう、一粒ひと粒ていねいに挽き、丹念にふるう。この工程の繰返しの中で、選りすぐられた小麦粉だけに「宝笠」印が与えられる。そうして出来上がった「宝笠」を使った菓子は、“くちどけの極み”ともいうべき食感を生み出す。

今年から「古くて新しい。」をスローガンに、現代の消費者のライフスタイルにそうマーケティング施策を国内外で展開している。SNSやブランドサイトの立ち上げなどによる情報発信のほか、現場の状況(女性スタッフの増加、少量多品種、省スペース問題)を鑑みて10kg袋を販売、兵庫県産や北海道産など、産地にこだわった新商品を発売するなど、多様なニーズにも対応する。ソフト・ハード両面で、歴史ある商品を現代に合った形で進化させている。

〈食品産業新聞 2019年12月2日付より〉