テーマは「米消費拡大」、東京食糧懇話会ら「令和2年 新春賀詞交歓会」開催
東京コメ卸協議会の木村良会長(全米販理事長)は冒頭、「若い人はご存知ないかもしれないが、『鉄腕アトム』の頃に夢みられていた自動運転や携帯電話などが次々に実現している。“あの頃の夢”は、いずれ実現する。皆さまも少し先を向いた仕事や研究に時間を割いていくようにしないと」と挨拶した上で、米の消費拡大の必要性に触れ「何もやらないリスクのほうがやって失敗するリスクより大きい時代。何でもトライしてみるべき。消費拡大を口にするだけでは何も変わらない。生産から消費まで一緒になって“ONE TEAM”で、取り組んでいくことが重要」とした。
神奈川県主食卸商組合の三橋美幸組合長((株)ミツハシ会長兼CEO)は同じく主催者挨拶のなかで、やはり減少し続ける米の消費量に触れ、「しかし悪いことばかりでもない。『主食の呪縛から解き放たれた』と考えられないか。実は以前から社内で、『500円のおにぎりを作ろう』という話をしている。すると大抵の人が尻込みする。しかし500円のサンドイッチがあるのに、何故おにぎりではできない? 単に主食にこだわっているからではないのか。日本人は松竹梅だ。“梅”だけ作っていても売れない。“松”や“竹”があるからこそ“梅”が売れる。“儲かる競争”を業界でやっていくべき」とした。
神奈川県主食卸商組合 三橋美幸組合長
農林水産省の天羽隆政策統括官は来賓挨拶で、「例年、正月に食糧庁長官がお伊勢参りに赴くのが恒例だった。その末裔というか尻尾というかなれの果ての政策統括官も、お伊勢参りにうかがった。頭を垂れて祝詞(のりと)を聴いていたところ、そのなかに“ONE TEAM”というフレーズが出て来て、耳を疑った。まさか祝詞のなかにカタカナというか英語が出て来ようとは。しかし落ち着いて考えてみると、語源になったラグビー日本代表チームは、非常にダイバーシティの広い、幅広い人材が集まったワンチームだったわけだから、祝詞に登場するのもむしろ当然だったかもしれない。米の消費拡大、少なくとも減少に歯止めをかけるために、農水省も昔からカネもヒトもかけてダメだったと言われるが、令和に入って新たな気持で関係者の協力も得つつ、『やっぱりごはんでしょ!』を立ち上げ、1年経ってリニューアルも終えた。農水省も課題に向かってとにかく走っていく。倒れるときは前を向いて倒れるくらいの気持でいなければ、と祝詞を聴きつつ思った次第」などと述べた。
日東富士製粉(株)東京工場の川又正寿工場長の音頭で乾杯。中締めの挨拶は昨年に続き東米商(東京都米穀小売商業組合)の須賀稔理事長が務めた。「昨年のこの場で“年神様”の話をした。その年神様、うちにも来てくれて、とんでもないことに…。昨年はお騒がせしたが私の気持は変わらない。一歩ずつ前進していく。今年はまだ初夢を見ていない。今日にでも枕の下に七福神の絵を入れて是非、良い夢をみたい。とにかく笑顔で楽しい1年に。食べてお腹がいっぱいなら誰も怒らない。でも怒ったときに、怒りを鎮める方法がある。簡単だ。スキップすればいい。年下の方は、上司が突然スキップしだしたら『あ、怒ってるんだな』と思っていただきたい」。
〈米麦日報 2020年1月10日付〉