明星食品「明星 大船渡秋刀魚だし黒船 さんまだし香る醤油ラーメン」発売、東北復興応援カップ麺第10弾
〈コラム・交叉点〉店のラーメンの美味しさ、カップ麺の美味しさ
〇・・・有名店とコラボしたカップラーメンの再現度への評価はまちまちだ。店舗の味を知っている人が食べたときに、「ほうほう、よくできてるねえ」という反応もあれば、「全く違う!」という反応もある。また、店舗の味を知っている人が食べるのと、知らない人が食べるのでも反応が変わってくる。
〇・・・「大船渡秋刀魚だし黒船」は2002年創業の大船渡を代表する有名ラーメン店。東日本大震災後には炊き出し活動を行いながら、津波の被害から免れた店舗でラーメン店を再開。2013年のカップ麺での商品化以降、2014年、2015年には東京ラーメンショーにも出店した。2017年4月には「貝だしラーメン黒船 SECOND」をオープンした。
〇・・・岩瀬龍三店主は語る。「2013年に声がかかった時には、自分の味がカップラーメンに商品化されるとは夢にも思っていなかった。どんどん周りが進んでいって、正直に言うとよく分かっていなかった。出した条件は、店舗名がなくてもいいから、『大船渡』と大きくパッケージにデザインして欲しいということ。もう、味はいいので(笑)。2013年はまだ町もぐちゃぐちゃで、ようやく顔をあげられるくらいのころだった」。
〇・・・「なので、今回は改めて味にこだわった(笑)。パッケージにもこだわり、『大船渡』の字は古くからの友人に書いてもらったもので、イラストは陸前高田市出身のイラストレータの友人が手がけた。味は私にとっての100%ではない。ただ、私と即席ラーメンのプロによる良い商品ができたと思っている」。
〇・・・「あと、最近のテレビはあまり沿岸部の飲食店を取り上げてくれない。震災の後は『ここまでくるの!』というところまで来てくれたのに、盛岡ばっかりになっている。是非、沿岸部への取材もよろしくお願いします」。
〇・・・そう、食べるシーンも違うため、店舗のラーメンの美味しさ、カップ麺の美味しさは少々違う。最後までもめたのは「甘さ」だという。岩瀬店主は「そんなに甘くなくていい」、明星食品マーケティング部の前川賢一氏は「もっと甘くしたい」と。カップ麺としての満足感も重要な要素だ。「結構ケンカしました(笑)」(岩瀬店主)。
〇・・・さて、明星食品は復興支援の一環として、「大船渡秋刀魚だし黒船」に行ってみたいと思わせるべく作った。明星食品と岩瀬店主のこだわりを知るべく、大船渡を訪ねて食べ比べてみてはいかがでしょう。
写真は記者会見での記念撮影。左から岩手県復興局・大槻英毅局長、大船渡市・戸田公明市長、大船渡秋刀魚だし黒船・岩瀬龍三店主、明星食品マーケティング部・前川賢一氏、明星食品東北支店・真田育則支店長。
「さんまだし香る醤油ラーメン」記者会見、記念撮影
〈米麦日報2020年2月21日付〉