東京ビッグサイトの予定通りの使用を求める要望書を提出/日本展示会協会
東京ビッグサイトの各展示棟は、10月から西・南・東・東新展示棟が利用可能となり、12月からは多くの展示会が予定されている状況にあった。
現在、COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の影響で多くの展示会が中止・延期となっている。同会は「日本の展示会産業は大きな痛手を被っている。出展者・団体はもちろん、主催企業・展示会業界を支える支援企業にも大きな売り上げ損失をもたらすことになった。加えて、東京五輪開催1年延期に伴い、東京ビッグサイトの東・東新展示棟や西・南展示棟が2020年12月以降においてもIBC(国際放送センター)/MPC(メインプレスセンター)として据え置かれ、予定していた展示会が開催できなくなった場合、主催会社・支援企業出展者にさらに大きな売り上げ損失がもたらされることは間違いなく、日本の展示会産業は再生不可能な痛手を負うことになる」と訴える。
同会の試算によると、従来の東京五輪開催により、東京ビッグサイトが使用できないことによる売上損失が約2.5兆円あり、東京五輪延期でさらに12か月の利用制限となると、加えて約1.5兆円、総額で約4兆円の売上損失が生じるという。影響を受ける社数は13万3,760社とされる。
「利用開始が確定していた2020年12月より展示会主催者は既に展示会の企画、手配、募集を開始している。東京五輪延期のため、既に動いている展示会を中止することになると、莫大な経費を負担することとなり、展示会主催者、支援企業等は企業の存続・従業員を守ることが困難になる」(同会)。
同会の要望は「12月から東京ビッグサイトが全館使用可能になる」こと。不可能な場合の代替策として、
◆首都圏に仮設展示場を建設する
◆幕張メッセ、東京ビッグサイト西・南棟は展示会場として使用可能にする
◆青海展示棟の使用期間をオリンピック後まで延長する
◆首都圏のほかの展示会場も含めた調整
◆東京五輪後の撤去期間の短縮についての再検討
◆既に募集を開始している展示会への支援
――を求めた。
〈米麦日報2020年4月10日付〉