サンヨー食品2020年3月期は減収大幅増益、袋麺・カップ麺ともデジタルプロモーション加速

サンヨー食品(株)(井田純一郎社長)は7月2日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の事業概要を発表した。連結ベースで売上高1,756億7,300万円(前期比2.6%減)、経常利益324億9,300万円(27.6%増)の減収大幅増益。

中核事業の即席麺事業では2019年6月に製品価格の改定(値上げ)を実施。改定後は需要が伸び悩んだが、種々の拡販策を展開した。年度終盤の2020年3月にはCOVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の影響により、家庭内での食事をとる機会が増加したことで需要が急増。現状については、「消費者の節約志向の定着や競争の激化などの状況は変わらず、引き続き厳しい経営環境が続いている」とする。

サンヨー食品(株)の単体売上高は763億6,800万円(4.2%減)。袋麺部門では「サッポロ一番で氷あえ麺キャンペーン」、「サッポロ一番 みそ派塩派大論争」、「サッポロ一番 しょうゆ・ごま兄弟」を展開。テレビの他、デジタルプロモーションを多用に駆使し、通年でユーザーとのコミュニケーション深化と話題喚起を図った。

カップ麺部門は「サッポロ一番 どんぶり」で「スヌーピー」、「3月のライオン」とのコラボ企画を展開。新規ファン層の獲得を図った。主力の縦型カップ麺「カップスター」、「和ラー」では、「乃木坂46」を継続起用し、テレビCMに加えて各種デジタルプロモーションを実施。ミニカップでは「ポケモンヌードル」が従来のキッズ層に加えてインバウンド需要も刺激し、引き続き売り上げを大きく伸ばした。また、異業種ブランドのコラボ商品や、高付加価値商品などを投入した。

連結対象会社のエースコック(株)、海外食料品事業のSanyo Foods Corporation of America、Acecook Vietnam Joint Stock Company 、Acecook Myanmar Company Limited、その他部門の諸事業の合計売上高は988億5,300万円(1.8%減)。

中国の持分法適用会社のカンシーフー(康師傅控股有限公司)は売上高9,712億円(中国元ベース2.1%増、円ベース1.0%減)となった。