「スズモフェア2020東京」万全の感染防止対策を講じて開催、新シリーズ「Fuwarica」のライス盛り付け機や新型コロナウイルスを意識した機器が多数登場
完全予約制とし、昨年の「スズモフェア2019東京」で約400社だった来場者も、今年は2日間で約200名と人数を絞って行われた。感染防止対策として、入り口でアルコール消毒と検温を行い、受付では来場者全員に除菌ウェットシートとマスクがセットになったものを配布。3密を防ぐため、展示商品は広めの間隔をとって配置し、商品説明を行う社員はゴム手袋を着用した。例年行っていた試食の配布も中止とした。
商談スペースはテーブルごとの距離を広く開け、各テーブルにアルコールスプレーを設置。担当者によると、「(距離を取るために)当初予定していたスペースを広げて開催した」。会場には店舗や厨房向けの寿司ロボットや食品工場向けのおにぎり成形機、おにぎり海苔巻き機が展示され、10月発売予定の新型ライス盛り付け機も登場。
ライス盛り付け機のシリーズはこれまで「シャリ弁ロボ」と呼ばれていたが、「ご飯がふんわり盛れる」(同社)という特徴を踏まえ、「Fuwarica(ふわりか)」シリーズとリニューアルし、ロゴも制作した。他にも食材・機材関係の「協力企業」11社が出展し、COVID−19対策のためのフェイスシールドや飛沫防止パネルを展示する企業も見られた。
〈ライス盛り付け機GST-MRA-LW、LB〉
今回の目玉となった新型のライス盛り付け機。これまで「シャリ弁ロボ」と称されていたライス盛り付け機シリーズを「Fuwarica(ふわりか)」シリーズにリニューアル後、初めての新型にあたるもの。最大の特徴は「小型化」で、従来品は370~384mm(型によって違いあり)だった本体の横幅を270mmと大幅にコンパクト化した。容量は5kg(従来品は9~11.5kg)と減ったが、「これまで機械を置くスペースがなかった方や少量生産をしている方に新たに取り入れていただけたら」とのことだ。
機械内のご飯の残量が少なくなると、画面と本体前面のLEDライトで知らせる機能が備わっており、LEDライトは青、黄、赤の3色があるため、どのくらいの残量で何色に光るか自分で設定することも可能。液晶画面にも様々な機能が加わり、現場の新人でも操作しやすいよう機械の分解や組み立てを液晶画面上でナビする機能やトラブルシューティング、ご飯を機械に入れてからの経過時間を計測する機能などが備わった。
「ライス盛り付け機」液晶画面
また、用途によってご飯を盛り付ける際の液晶画面のデザインを変更できる。例えば、セルフ式のホテルブッシェや社員食堂で使用する際には、器を機械にセットするところから、お好みの量のボタンを押して、ご飯が盛られるところまでをナビゲーションする。器をセットする台には容器検知センサーが付いており、器を置くまでご飯が盛られない設計のため、「セルフ式の場合でもいたずらを防止できる」。ご飯の温度低下と乾燥を防ぐ設計で、高いクオリティを維持する。デザインは黒と白の2色展開で、10月発売予定。金額は従来品とほぼ同額としている。
〈小型シャリ玉ロボット+シャリ玉移載装置SSN-JLA+TRS-JLA〉
「小型シャリ玉ロボット+シャリ玉移載装置SSN-JLA+TRS-JLA」
シャリ玉の製造とトレイへの整列・収納までを行う。これまでシャリ玉製造ロボットはあったが、移載までがセットになった機械は初。製造されたシャリ玉を機械のアームが高速で運び、トレイに並べる。トレイのサイズは大小さまざま、丸形にも対応可能で、「COVID−19による持ち帰り需要に対応できる」。
〈おむすび袋開口機FHB-SHC〉
「おむすび袋開口機FHB-SHC」
機械からの送風によって袋の口を開け、手間のかかる個包装を簡単かつ綺麗にできる。おむすびだけでなくパンや惣菜の袋にも使用可能。
〈ふっくらおむすび成形ライン(未来コンセプト機)ESF-OLA(参考出品)〉
食品工場向けの大型おむすび成形機。これまでのおむすび成形機はご飯をおにぎり型に入れて成形するものが主流で、おにぎりが硬めに成形されてしまうというデメリットがあった。しかし、この「ふっくらおむすび成形ライン」は型に入れずパタンと2つに折るような要領で成形するため、ふっくら柔らかく仕上がる。
〈米麦日報2020年7月9日・10日付〉