イネの根の張り方を制御する遺伝子発見、塩害水田向けイネ開発へ前進/農研機構ら発表

農研機構、東北大学、産業技術総合研究所は8月20日、世界で初めてイネの根の張り方を制御する遺伝子を発見したと発表した。

塩害水田では、塩による直接の被害だけではなく、塩による土壌物性の変化で土壌が酸欠になり、害を及ぼすことが判っている。農研機構らは遺伝子「qSOR1(キューソルワン)」を制御することでイネの根を土壌表面に伸長させ、酸欠状態の地中に根を張らせないことで、塩害による収量減を軽減することができた。

今後は地球温暖化で高潮リスクが高まる日本や熱帯アジア地域の沿岸部などで、収量の安定したイネ品種の開発に繋がるとしている。

〈米麦日報2020年8月21日付〉