神明HD、雪国まいたけ株式保有率を引き上げ、子会社化
神明HDは2017年(平成29年)に、アメリカの大手投資ファンド、ベインキャピタルLC(ボストン市)と「買収関連契約」を締結、ベインキャピタルLCが保有していた(株)雪国まいたけの株式を49%取得し、グループ会社化している。今回は証券会社を通じて、ベインキャピタル(株)の売り出した保有株の一部を取得し、筆頭株主となった恰好だ。
同社は「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指し、これまでも米穀販売業の周辺事業にとどまらず食品製造業に進出してきた。最近では今年7月に無添加ドーナツ製造販売の(株)フロレスタ(大阪府大阪市、辻尾吉厚社長)の買収を発表している。
2017年(平成29年)に(株)雪国まいたけがグループ会社になってからは、同社子会社の元気寿司(株)(法師人尚史社長)でまいたけを使用した期間限定メニューの提供などに取り組んできたが、今回の子会社化により「(株)雪国まいたけはもともと新潟が拠点なため西日本への進出があまりされてこなかった。当社と連携して更なる販売拡大を目指す。また、当社が展開している様々な事業のネットワークを活用して、お互いの弱点をサポートしていけるようにしていきたい」としている。
また発表と同じく9月17日、雪国まいたけ(株)は東京証券取引所市場第一部に上場した。2015年(平成27年)6月の上場廃止から約5年ぶりの再上場にあたる。
上場に伴い公表された2021年(令和3年)3月期第1四半期決算によると、連結ベースで売上収益106.24億円(前年同期比9.8%増)、営業利益9.09億円(111.7%増)、税引前利益7.75億円(188.3%増)の増収大幅増益。四半期純利益も4.87億円(221.6%増)と大幅増益で、COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の影響による、家庭内での調理機会の増加や健康志向の高まりが追い風となった。
2021年(令和3年)3月期通期予想は、売上収益526.78億円(3.8%増)、営業利益83.24億円(24.4%増)、税引前利益77.83億円(17.1%増)、当期純利益50.99億円(17.3%増)の増収増益を見込む。8月14日開催の取締役会で、株主優待制度の新設を決議し、1単元(100株)を6か月以上保有した株主に(株)雪国まいたけの製品3,000円相当を贈呈する予定。
〈米麦日報2020年9月18日付〉