〈米需給俯瞰〉4月の川下向け米販売数量、業務用は2019年比約90%の横ばい
前年同月と比べた販売数量は、小売向け92.0%(前月比7.8ポイント増)、中食・外食向け121.2%(18.6ポイント増)で、総体では102.5%(11.4ポイント増)となった。
2021年4月といえば国内の感染者数が増加の一途を辿り、各地で「まん延防止等重点措置」が適用、下旬には東京・大阪などに「緊急事態宣言」が出された。それにも関わらず、特に中食・外食向けが前回3月時点よりも大幅回復したように見えるが、指数の比較対象となる2020年4月といえば1度目の緊急事態宣言の頃である。まだ家庭用はパニック買いの余波が残っていた一方、そもそも外出する人がまばらだった時期だ。
実際に2019年4月と比べた2021年4月の販売数量指数は、小売向け100.8%(前月比3.4ポイント減)、中食・外食向け90.8%(前月同)で、総体は96.3%(前月比1.7ポイント減)。まだ中食・外食向けは「回復」とは言い難い状況であることが判る。ただこの数字から、2020年4月の緊急事態宣言下と2021年4月のまん防+緊急事態宣言下では、人々の意識・行動が一変していることも判る。
一方の販売価格は前月から大きな変化なく、小売向け95.2%(前月比0.7 ポイント減)、中食・外食向け96.6%(前月比0.3 ポイント増)となった。
米販売事業者の販売価格(前年同月比) 註1)調査対象業者は、年間玄米仕入数量5万t以上の販売事業者。 註2)上記の数値は調査対象者が販売している精米の全体数量・価格動向を指数化したもので、個別の取引や産地銘柄ごとの動向を表すものではない。 註3)最新月の数値は速報値。
〈米麦日報2021年5月28日付〉