パスタ市場に「早ゆで」ジャンルを創出/日清フーズ
高単価ながら時短ニーズを捉え、スパゲティ市場に「早ゆで」カテゴリーを創出・確立した。
日本初の早ゆでスパゲティは日清フーズ(2022年1月1日に日清製粉ウェルナに社名変更)の「マ・マー プロントスパゲティ」(麺にV字の切り込み入り)発売は1986年。
その後も技術開発を継続し、2011年に早ゆで+アルデンテ食感を実現した「マ・マー スーパープロントスパゲティ」(麺に3枚羽形状の切り込み入り)へと進化、2013年には早ゆでを直接表現した「マ・マー 早ゆでスパゲティ」(現「マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast」)に商品名を変更した。
ゆで時間は通常のスパゲティ太さ1.6mmの7分に対し、早ゆでスパゲティ1.6mm3分と半分以下に短縮。
マーケティングでは、近年はTVCMに加えて動画レシピサイトでのデジタル広告を配信。2020年には「早ゆで2/3サイズ」発売に合わせ、小鍋調理の手軽さを、インパクトを持って伝えるジオターゲティング(地理情報を利用したマーケティング)手法を活用してユーチューブ配信した。
デジタル配信前後の各10週間POSデータでは、ロングパスタ全体の伸び率5%増(前年比)に対し、早ゆで2/3サイズは17%増。これらの施策で、早ゆでスパゲティのスパゲティ市場全体に占めるシェア(SRI推計販売金額)は2011年度の1.7%から2020年度には15.1%まで拡大した。
〈食品産業新聞 2021年12月8日付より〉