2021年農林水産物・食品輸出は遂に1兆円突破、コメも過去最高更新
農林水産省は2月3日、2021暦年農林水産物・食品の輸出実績を公表した。財務省貿易統計の公表を受けてとりまとめたもの。
それによると2021年の輸出実績(少額貨物含む)は前年比25.6%増の総額1兆2,385億円となった。これは9年連続の過去最高更新であり、2006年9月に当時の(第1次)安倍晋三総理が所信表明演説で掲げた「1兆円目標」を15年越しに達成した恰好だ(ただ当時は2013年までに達成を目指すとしていた)。なお、少額貨物を除いた輸出額は26.2%増の1兆1,629億円となる。
1兆円越えの要因について農水省は、コロナ禍で小売店向けやEC販売が堅調だったことに加え、中国・アメリカなどで外食需要が回復し始めたこと、輸出先国での規制緩和・撤廃が進んだことなどを挙げている。
農林水産省輸出額の推移の内、「米」輸出額(2009年~2021年)
このうち、援助米を除く商業用米の輸出額は過去最高の59億3,300万円(前年比11.6%増)、数量2万2,833t(16.0%増)。「中食・外食が需要の主体である香港・シンガポールなどで経済活動の再開があり、業務用需要が堅調だった」(農水省)。また、米菓は56億3,700万円(24.4%増)、日本酒は401億7,800万円(66.4%増)で、こちらも過去最高となった。
〈米麦日報2022年2月7日付〉