国連WFP ウクライナ緊急支援募金開始「紛争は飢餓と食料不安の原因」

協会国連WFP協会は3月1日、ウクライナ緊急支援募金を開始した。国連WFP(WFP国連世界食糧計画)がウクライナ国内や近隣諸国へ避難している人々への緊急食糧支援を開始したことを受け、寄付による支援への参加を強く要請している。募金は国連WFP協会ホームページから。

同協会によると、首都キエフとハリコフの一部では、すでに食料と飲料水の不足が報告されている。キエフの住民の多くが地下鉄の駅に避難しており、「市民の命と暮らしは重大な危険にさらされている」。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、すでに42万2,000人のウクライナ人が近隣諸国に避難していると推定。男性は出国ができないため、ポーランド国境に逃れる人の大半は女性と子どもだとしている。「ポーランドに入るまでの待ち時間は最大40時間、夜間の気温は-2℃になり、人々は絶望と寒さ、恐怖と空腹に苦しんでいる」。ウクライナは南部が黒海に面し、「穀物と農業生産では世界で最も重要な地域の一つ」だ。

同協会は、黒海沿岸地域からの穀物の流れが妨げられれば、価格の高騰に繋がると指摘。「コロナ禍による経済的打撃で世界的な価格高騰が懸念されるなか、更なる食料価格の上昇をもたらすことは、世界中の食料不安に苛まれる数百万人の人々にさらなる悪影響を及ぼす可能性がある」としている。

〈米麦日報2022年3月4日付〉