江別製粉、北海道産100%コーングリッツの製造・販売を開始
コーングリッツは、加工用とうもろこし(デントコーン、フリントコーン等)を製粉して製造され、主にコーンフレーク、スナック菓子、イングリッシュマフィン、タコスのトルティーヤの原料として使用されているが、日本国内で使用される加工用とうもろこし(約550万t)のほぼ全量を外国産が占める。
江別製粉では「今年4月より北海道産子実コーン(品種名・ビビアン)を原料とした『純国産』コーングリッツ製品《製品名『ホッカイドウコーングリッツ』》 等の製造と販売を開始する」としている。
「ホッカイドウコーングリッツ」は、非遺伝子組換えで、ポストハーベスト処理不要の「安全・安心な」北海道産とうもろこしを100%使用する。「パフ加工すると外国産と比較してカラメル香が強く、赤みの強い色合いになる」(同社)のが特徴。北海道産とうもろこしは、水田転換畑で子実コーン(子実水分が30%以下になってから、子実のみを収穫して乾燥したとうもろこし)を作り、その茎葉を大量に土壌に混和すると、「土の中で分解して作物が使い易い養分になる。深く伸びる根が硬くなった土に水の通り道を作り、透排水性が良くなり、子実コーンを組み入れた輪作では秋小麦などの生育収量を向上させる」という。
「ホッカイドウコーングリッツ」の製造は、2020年11月設立の100%子会社であるNGRITS(安孫子俊之社長、北海道夕張郡栗山町)で行う。2022年3月には加工能力毎時500kgの製造工場が完成し、4月から本格稼働した。製造工場では、「江別製粉が持つ製粉技術、そして生産性に優れた製粉設備を使用して製造する。衛生面においても厳格な基準に基づき管理し、安全・安心でさらに最良質な製品を提供していく」とする。
同社は、「北海道とうもろこしを原料とするコーングリッツに対する市場ニーズは、安全・安心の観点、さらには製品の良好な品質が期待されることにより非常に高いと考える。現在、リテールユーザー(パン・菓子店や飲食店等)や製菓メーカーから問合せを多数頂いている。そのため、当社では数年内に年間1000t以上の加工を目指して、生産者とともに北海道における子実コーンの生産振興を図っていく」としている。
〈米麦日報2022年4月15日付〉