「昔ながらの中華そば 焼津かつお塩味」発売、水産高校生らと共同開発/東洋水産
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東洋水産は5月31日、焼津市長を表敬訪問し、発売を報告した。中京事業部静岡支店の柴田充康支店長は「昨年10月、地元の美味しい素材を全国へ届けることをコンセプトに『焼津かつお醤油味』を発売した。ご好評につき、第2弾の発売を決めた。この商品の特徴は、焼津産かつお節を100%使用したスープだ。今回は静岡県立焼津水産高校流通情報科の生徒たちと、地元でワーケーション企画『やいづワーク』などを手掛ける三浦愛さんに協力していただき、開発を進めた」「生徒たちの『かつお味をもっと強くしてほしい』という意見を取り入れた」などと説明。
中野弘道市長は、「地域に染みわたっている、焼津ならではの味を商品化していただき、感謝している。皆さんの想いがこの味に詰まっていると思う。この商品が焼津の新しい味として全国に広がり、味わった人たちが焼津を訪れてくれたら嬉しい」と挨拶した。
焼津水産高校3年生の増田涼風さんは、「商品開発に携わることができ、とても有意義な勉強になった。貴重な機会に感謝し、今後の学習に生かしていきたい」などと語った。
〈コラム/水産高校生たちの将来〉
焼津水産高校3年生の安孫子春美さんは、商品開発に携わった生徒たちを代表して壇上に立ち、記者の質問に答えた。
写真は記念撮影
「この商品をご当地ラーメンとして根付かせたいなど、将来への展望は?」と問われ、「できればやってみたい。その時は東洋水産さんにもよろしくお願いします(笑)」と返すなど、大人顔負けの堂々とした対応が印象的だった。
それもそのはず。実は、今回参加した生徒たちは「経営者」だ。授業の一環で、「フィッシュパラダイス魚国(うおこく)」という模擬会社を運営している。仕入れから販売までを生徒自身が行うことで、会社運営の基礎を学ぶことが狙いだ。地域の活性化などを目的に、自ら開発した商品をイベントで販売するのが主な活動。役員、経理、営業部、商品開発部門があり、安孫子さんは「社長」、上記事に登場した増田さんは「常務」を務めている。
今回、生徒たちは開発だけでなく販売にも携わる。商品の価値を伝える販促ツール「コトPOP」を作成したほか、6月10日には地元スーパーの売り場に立ち、推奨販売を行う予定だ。POPを作成した生徒たちは「遠目から見ても目立つ色を使い、お客様に手に取ってもらうためのメッセージを書いた」「見やすく、重要な情報が伝わるようにした」などとこだわりを語った。柴田支店長も「非常に想いが伝わるPOPを作ってくれた」と感心していた。
高校生がこれほど実践的にビジネスを学んでいるとは驚いた。近い将来、彼らと私たちが一緒に仕事をする日が来るかもしれない。
〈米麦日報2022年6月1日付〉