“日本列島貫く山旅の道”全長1万kmのJAPAN TRAIL始動、安藤財団が後援
ロングトレイルは「歩く旅」を楽しむために造られた道のことで、「浅間・八ヶ岳パノラマトレイル」や「みちのく潮風トレイル」などがある。「JAPAN TRAIL」は、“日本列島を貫く歩く山旅の道”をコンセプトに、沖縄~北海道を縦断するという日本最長のロングトレイルだ。安藤財団と日本ロングトレイル協会は6月17日に記者発表会を開催し、構想のコンセプトや意義などを明らかにした。
「JAPAN TRAIL」構想イメージ
発表によると、「JAPAN TRAIL」は既存のロングトレイルや登山道などをつなぎ合わせたもの。舗装された道路はできるかぎり避け、歴史・文化のある古道や旧街道、自然歩道を利用する。全長は約1万kmで、すでにルートの50%が歩行可能であることを確認済み。
まず沖縄・奄美の島々から北上し、鹿児島の開聞岳から九州の山々を越えて本州へ。山陰・北陸を経由し、北アルプスを縦走。富士山麓を通り、上信越・東北の山々を縦断し、北海道・知床の羅臼岳へ――という壮大な道のりだ。今回発表したルートはあくまでも暫定で、「利用者や地域の方の意見などを聞きながら、少しずつ完成度を上げていく」予定。外国人観光客のインバウンド需要も見込む。
「JAPAN TRAIL」構想イメージ
安藤CEOは冒頭挨拶で、「先日、私も霧ヶ峰を歩いてみた。道が凸凹で、靴擦れや爪が割れたりと大変だったが、登り詰めると日本アルプスを眺望でき、素晴らしい景色だった。日本にはこんなに美しい場所があったのかと感じ、心地良い経験だった。当財団の目的は、国民の健康と青少年の健全育成だ。今後、『JAPAN TRAIL』への支援として、国内外への情報発信、セミナーやシンポジウム開催などの啓蒙活動、トレイルの維持・整備活動、デジタルツールの制作などを行っていきたい」と意気込みを語った。
左から日本ロングトレイル協会・中村代表、安藤財団・安藤理事長、日本ロングトレイル協会・節田会長
日本ロングトレイル協会の中村代表は、「1万kmの道が完成するには長い年月が必要だ。国民がこのトレイルを継承していってくれれば」などと語った。
〈米麦日報2022年6月20日付〉