宇宙飛行士・野口聡一氏「カップヌードルミュージアム」で子ども向けセミナー、宇宙食ラーメン「スペース・ラム」開発秘話や宇宙での生活語る
【関連記事】企画展「“人類初!宇宙でラーメンを食べた”野口聡一宇宙飛行士」開催/カップヌードルミュージアム横浜
野口氏は同ミュージアムの名誉館長(6月に就任)。会場には抽選で選ばれた15人の小学生が参加。オンラインでは当初の予定(300人)を上回る450人が視聴した。
野口氏はこれまでに3回の宇宙飛行を経験。日清食品(株)の創業者・安藤百福氏と共に開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を宇宙で初めて食べるなど、同社との関わりが深い。
2020年の国際宇宙ステーションでの長期滞在には安藤百福氏の書「宇宙世紀 優劣共生」を携行し、地球に持ち帰った。同ミュージアムでは、野口氏と安藤百福氏の交流をパネル展示で振り返る企画展「“人類初! 宇宙でラーメンを食べた”野口聡一宇宙飛行士」を開催中。その中で安藤百福の書を初公開している。
野口氏は宇宙食ラーメンの開発について、「いつも日本で食べているラーメンを宇宙にも持っていきたかった。しかし、宇宙では重力がないので、麺を箸でつまむと全部が持ち上がってしまう。お湯の温度も70℃までしか上がらない。そんな環境でも美味しく食べられるラーメンを作るのに苦労した。日清食品と一緒に開発に取り組み、2005年にはオリジナル・味噌・カレー・豚骨の4つの味を宇宙へ持っていくことができた」と振り返った。
「スペース・ラム」は麺が短く、スープにとろみがついていることが特徴。無重力空間でも食べやすく、低い温度のお湯でも麺がしっかり戻るよう工夫されている。
野口氏は子どもたちに「皆さんの生活が宇宙と繋がっていることを覚えていてほしい」と呼び掛けた。セミナー終了後には「久しぶりに子どもたちとイベントができて楽しかった。会場参加者は15人と少なかったが、一生懸命質問をしてくれた。夏休みの楽しいイベントになったと思う」などと語った。
〈米麦日報2022年8月4日付〉