尾西食品「一汁ご膳」発売、業界初“アルファ米&汁物の長期保存食”、外箱が“お膳”に早変わり、水なしで炊き込みご飯にも

尾西食品「一汁ご膳」アルファ米・汁物&“炊き込みご飯”

尾西食品(株)(古澤紳一社長)は「防災の日」の9月1日、長期保存食「一汁ご膳(いちじゅうごぜん)」を発売した。

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水・お湯でご飯に戻る「アルファ米」と汁物がセットになった業界初の商品だ。水が無くても食べることができ、ラインナップはけんちん汁と豚汁の2種類。賞味期限は5年6か月。汁物には大きめにカットされた野菜が入っており、被災時に不足しがちな栄養を補うことができる。

尾西食品「一汁ご膳」

尾西食品は近年、「“非日常的”な非常食を強制感・義務感のない形で“日常的”に食べてもらう」という商品開発に注力しており、今回の商品も「普段から美味しく食べられる長期保存食」だ。
 
食べる際には、外箱を中央部分から180度折り曲げると、2か所のスペースを持つ“お膳”に変身。一方にアルファ米のパウチ、もう一方に汁物のパウチを入れることで、被災時の環境下でも衛生的な食事を可能にする。アルファ米にお湯を注いだ状態で一方のスペースに2つのパウチを入れれば、汁物を温めることもできる。

尾西食品「一汁ご膳」

さらに今回の商品は水が無くても食べることができ、汁物をアルファ米に注ぐことで炊き込みご飯に早変わり。2021年5月に(株)ゆのたに(新潟県魚沼市)からレトルト事業などを承継したアイリスフーズ(株)(北尾利徳社長)が汁物を製造しており、「炊き込みご飯にした場合でも美味しくなるよう、汁物の量や味を入念に調整してもらった」(尾西食品)。

尾西食品「一汁ご膳」“炊き込みご飯”

被災経験者を対象に尾西食品が行ったアンケートでは、「災害時に食べて美味しかったもの」の3位は「豚汁などの汁物」。また、日本公衆衛生協会の調査によると、自治体の備蓄は主食(炭水化物)に偏っている現状が明らかになっており、主菜・副菜といったおかずを備蓄しているのは2割に満たない。一方、避難生活が長期化した際には、栄養面だけではなく「メニューの飽き」なども課題となる。そうしたさまざまな課題解決に向けて、この「一汁ご膳」を投入した経緯がある。
 
販売チャネルは、企業の備蓄用や亀田製菓(株)のネットショップ、食品スーパー、ホームセンターなどから順次投入し、自治体への導入を目指す。想定価格は680円程度。
 
〈米麦日報2022年8月29日付〉