木徳神糧 無洗米「e-come(イーコメ)」展開、泡で糠除去する環境配慮型、関東圏にも拡大予定
木徳神糧(株)(竹内伸夫社長)は、環境配慮型の無洗米「e-come(イーコメ)」を販売している。
岡山工場で搗精、中四国支店エリアで販売しており、関東圏の量販店や同社ECサイト「KOMETS(コメッツ)」でも新米切り替えのタイミングに発売を開始する予定だ。現在のラインナップは、北海道ゆめぴりか・岩手ひとめぼれ・山形つや姫の3種類で、販売価格は木徳神糧の他の無洗米とほぼ変わらないという。
“お米にも 自然にも やさしく”をコンセプトにした本製品の精米は、「ウルトラマイクロバブル製法」によるものだ。「ウルトラマイクロバブル(UMBP)」は直径100μ(マイクロ)メートル未満の超微小な気泡を指し、高い洗浄・吸着効果を持つとされる。その泡を含む「ウルトラマイクロバブル水」で米を洗うことで、精米表面の細胞壁を傷つけることなく均一に糠を除去でき、洗米の必要がなくなる。
木徳神糧によると、ウルトラマイクロバブル製法米を使用して1合の白米を洗米する場合、使用水量は大匙1杯(15mL)に留まるのに対し、通常の洗米では500mLペットボトル3本分(1500mL)にのぼる。1日に3合炊飯すると仮定した場合、ウルトラマイクロバブル製法米は年間約1626Lもの節水が可能になる。また製造工程で発生するとぎ汁は、養豚向けの液体飼料として再利用されるとのことだ。
さらに米袋のフィルムには、植物由来のプラスチックを使用。従来商品と比較すると、石油由来プラの使用量を約3割削減、温室効果ガスの排出を約2割削減する。
現在は関東圏やECサイトでの販売に向け、桶川工場にも精米設備を導入した。9月には桶川工場での環境負荷低減計画が、農林水産省から産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定を受けており、「e-come」の製造もこの計画の一環とのことだ。
〈米麦日報2022年10月19日付〉