オタフクHD創業100周年感謝会、佐々木茂喜社長「創業者の語録・人生訓が理念の礎」お好み焼を世界中へ、笑顔を広げる
オタフクホールディングス(株)(佐々木茂喜社長)は10月17日、広島市のホテルで、グループの近況報告会と創業100周年感謝の会を開催し、得意先と仕入先など約300人を招待した。
感謝の会では、次の100周年への決意表明を示した。「『本物で美味しいもの』を作り、多くの人に幸せを広めたい」と願ってお好みソースの開発に挑んだ1949年当時を描いた演劇「ふくがたり~お好みソース誕生」(舞台芸術制作室「無色透明」)や、社員による「お好み焼鉄板パフォーマンス」も披露した。
主催者挨拶で、佐々木社長は「1922年11月26日、広島市横川で佐々木商店を創業、以来100年が経過した。創業の佐々木家は明治時代にアメリカに移住、日本で佐々木の名前をなくしたくないという思いから、アメリカ育ちの一人娘ハヤを日本に帰し、清一と結婚して酒と醤油の卸事業を始めたのが始まり。当時のハヤさんが残した『しあわせを売れたらええねえ』という言葉から始まった」と述べた。
1938年から醸造酢の製造を開始、1950年からソースの製造を開始、試行錯誤を経て1952年に現在の主力商品である「お好み焼用」ソースを発売した歩みをたどり、「(創業者の)清一、ハヤさんの語録・人生訓が理念の礎となっている。時代の流れの中で、行動し判断した結果が、今のオタフクソース・オタフクグループの姿。これからの100年も創業者の言葉を胸に、一歩一歩努力を重ねながら、身近で愛される企業であり続けたい」と意気込みを示した。
岸田文雄総理はVTRで祝辞を寄せ、「2023年初夏に、広島でG7サミットを開催する。世界中から訪れる方々に、日本を、広島を深く知ってもらう絶好の機会であり、特に多くの人が食を楽しみにしている。創業100周年のオタフクソースには広島の味、日本の味で食文化を牽引し、食から世界の平和づくりの一翼を担ってほしい」と述べた。
来賓を代表して挨拶した味の素(株)の藤江太郎社長は、1990年代に広島を訪れた際に必ずお好み焼を楽しんでいたという思い出を交えながら、「(オタフクお好みソースが)お好み焼にとろりとかかっているのを見ると、よだれが止まらない。多くの福を感じさせてもらった。多くの福を広げることが、オタフク発展の原点。お好み焼という文化をオタフクソースが懸け橋となって広めておられる。100周年を祝うことは、次の100周年への挑戦である。ますますの発展を願う」と述べた。
鏡開きに続き、三菱食品(株)の京谷裕社長が挨拶。「100周年を通過点として、次の200周年に向かって揺るぎないミッション、ビジョンを、笑顔を創造するという言葉で表している。顧客のみならずグループ内の社員、従業員も笑顔をデザインする対象としている。今年は『日本でいちばん大切にしたい会社』の経産大臣賞も受賞されており、(オタフクソースを)手本に少しでも同じようなレベルに到達すべく頑張りたいと強く感じた」と述べ、乾杯の発声を行った。
オタフクソースの佐々木直義会長は御礼の挨拶で、「創業者の言葉である『ご縁を大切に』の通り、この100年で多くのご縁をいただき、ここに集まっていただいた。酢の生産を始めてから、ソース、お好み焼関連材料、天かすと、液体調味料の会社が、お好み焼・焼そば・たこ焼の会社として変遷してきた。この100年間で、広島から中国地方、西日本、関東、そして全国へ販売網を広げ、また現在50か国に輸出を行っており、まだまだ伸び続けている。お好み焼を世界中に広げながら、焼いて食べる小さな幸せ、笑顔を広げたい」と意気込んだ。また、100周年記念商品のお好みソース「永遠(とわ)」、ウスターソース「珠玉」、寿し酢「英知」を紹介した。
〈米麦日報2022年10月21日付〉