ニップングループのファスマック「ニキビ内部菌を遺伝子レベルで解明」皮膚科学分野の英文誌に研究結果掲載

(株)ニップン(前鶴俊哉社長)グループの(株)ファスマック(布藤聡社長、神奈川県厚木市)はこのほど、ニキビ内部の菌の構成を遺伝子レベルで解析し、「個々人で菌の構成が異なり、ニキビ内部には多様な菌が棲息していることが分かった。これらの結果、菌全体のバランスを見た治療やスキンケアが重要だと考えられる」と発表した。

日本メナード化粧品(株)(野々川純一社長、名古屋市)、藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科(矢上晶子教授、名古屋市)との共同研究。(株)ファスマックでは「今後、網羅的な微生物の遺伝子解析技術を様々な産業用途で利用するための基盤として、受託分析サービスに活用していく」としている。研究成果は、皮膚科学分野の英文誌「Clinical,Cosmetic and Investigational Dermatology」に掲載された。

一般に、ニキビの原因はアクネ菌と言われているが、ニキビには多くの菌が複雑に関与していることが予測されていた。今回の共同研究では、遺伝子を網羅的に解析できる次世代シーケンサーを用いてニキビ内部の菌叢(細菌、真菌などを含む、ある特定の環境に生息する微生物の集まり)を解析した。ニキビ患者22人(女性12人、男性10人)を対象とし、皮膚表面(ひたい、ほほ)とニキビの内容物の菌叢解析を行ったもので、各サンプルの菌叢解析の結果、アクネ菌の構成比が高くなっていた。また、ブドウ球菌などの菌も検出された。皮膚表面、ニキビ内部ともに、「細菌、真菌の構成比に男女差は認められなかった」とする。

その結果、ニキビ内部において、皮膚表面よりも多くの種類の細菌で構成されていることが推察され、「この構成の違いがニキビに関与しており、菌のバランスを保つことがニキビの予防に役立つと推察される」とまとめている。

〈米麦日報2022年11月8日付〉

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