日本雑穀協会「アワ新品種プロジェクトサイト」開設、岩手で新品種「アワ岩手糯11号」推進
(一社)日本雑穀協会(倉内伸幸会長)はこのほど、新品種「アワ岩手糯11号」を紹介するサイトを公開した。
岩手県農業研究センター県北農業研究所と日本雑穀協会が開発した品種で、従来品種の「ゆいこがね」に比べ倒れにくく、多収なことが特徴だ。また、従来は困難だった自脱型コンバイン(刈取→穂先を取り込んで脱穀)での収穫を実現するべく、県北・県中地域で大規模な栽培実験を実施。播種~収穫までの機械栽培体系を確立した。
外観の黄色味・つやも優れており、「おいしさや加工適性の高評価が確認され、和菓子業界・料理関係者などの期待も高まっている」。なお、2023年3月には県の奨励品種に登録されている。
雑穀協会は「岩手県ではアワ、キビ、タカキビなどの主要な雑穀で、生産者の高齢化や気候変動による収穫減など、作付面積・生産量ともに間に合っていない状況が続いている。近年、岩手県産雑穀を求める企業も参入する中、この品種は生産者・実需者ともに大きな期待を担っている」とする。新品種と機械栽培体系の組み合わせで生産量の向上を図るとともに、食味や機能性の高品質化によるブランド化を進めていく考えだ。
サイトには新品種の特性や栽培体系といった情報のほか、実需者の評価、雑穀クリエイター・アドバイザーが考案したレシピなども掲載している。
〈米麦日報2023年6月7日付〉