はごろもフーズ、2023年秋冬新製品発表会を開催、「ぶり」使用のシーチキンEvery、大幅改良した低糖質パスタCarboffに注力
はごろもフーズ(株)(後藤佐恵子社長)は8月2日、2023年秋冬新製品のメディア向け試食会を開いた。
今回は各種新商品の中から、ぶりを使用した新たなシーチキンと大幅改良を実施した「Carboff(カーボフ)」をメインにPRした。
〈シーチキンEvery(エブリ)〉
42年ぶりにシーチキンに新魚種「ぶり」を採用。試食会では「シーチキンらしく仕上がっている」「食べ比べると一番おいしい」などと高評価が多かった。
シーチキンは1931年のはごろもフーズ誕生とともに、びんながまぐろを原料に製造を開始した(シーチキンの商標登録は1958年)。その後、1976年にかつお、1981年にきはだまぐろを原料に採用した。
今回の魚種追加の背景は世界的なまぐろ・かつおの漁獲量の減少や需要の増加だ。「魚価も上昇していて、この先も安定してシーチキンを供給するには、まぐろ・かつおだけでは難しくなるかもしれない」との考えから、新たなシーチキンの原料を探した。
さまざまな魚種で試作を繰り返し、「魚肉の色がきはだまぐろに似ている」「味がしっかりしている」「全国的に食べられている人気のある魚」であることから、ぶりを新魚種として採用。2018年から開発を開始した。重視したのは「シーチキン」として違和感のない味に仕上げることだ。
さまざまな調味料を使用して試作し、最終的にはシンプルにオニオンエキスを使用して味を仕上げた。そして、「いつもの(Every)、みんな( Everybody ) から愛される、どこの(Everywhere)お店でも出会える、そして毎日(Everyday)の食卓に欠かせないシーチキン」となるよう命名。油ありと油不使用の2品を8月21日発売。各235円(税別)。初年度販売目標は各84万個。
〈カーボフ〉
糖質50%オフのパスタ・カーボフを大幅リニューアル。従来は原料にデュラム小麦、食物繊維、水などを使用。デュラム小麦以外の原料を使用するため、デュラム小麦100%のパスタと比べて、独特な硬さの食感が課題だった。これまでもリニューアルによる食感の改良を行ってきたが、今回は原料を大幅に見直し、デュラム小麦を強力小麦に切り替え、新たに卵白粉末を使用した。
さらに、製法も変更。従来は生地を加圧して押し出して成形していた(一般的なパスタの製法)が、今回は乾麺のように生地をシート状に伸ばしてから切り出した。これらの改良により「食べた瞬間はプリっとはじけ、噛むと弾力感がある食感に変わった」という。試食でも「食感がなめらかになった」「ソースがらみが良い」などの声があった。
また、麺線を1.4mmから1.6mmに変更したが、製法の見直しなどにより、ゆで時間を13分から7分に短縮した。8月21日発売。400円。初年度販売目標は90万袋。
なお、はごろもフーズによると低糖質パスタ市場は年々伸長しており、2022年に市場規模が7億円を突破したという。
〈米麦日報2023年8月7日付〉