尾西食品がレンジ調理可能な「アルファ米」新発売、時短と美味しさアップで「アルファ米を身近に感じ、個人の自助力高める」
尾西食品(株)(古澤紳一社長)は8月25日、新商品「アルファ米レンジ+(プラス)シリーズ」を発売した。
最大の特徴は、アルファ米製品初となる電子レンジ調理を実現した点で、お湯や水を注ぐ従来の調理法よりも時短かつ美味しさがアップするという。
8月24日には都内で「尾西食品主催アルファ米新製品発表会」を開催。古澤社長は「これまでは官公庁や企業を中心に採用いただいていたが、近年は地震や大雨などの発生により個人需要が伸びている。個人向け販売は、2018年から2022年で2倍に増加した。2023年は関東大震災から100年の節目の年でもあり、家庭内備蓄をさらに進めてもらうべく、長期保存食をより身近に感じていただけるような商品を開発した」と述べた。
また、伊藤秀朗商品開発部長は「家庭内備蓄への認識は、そもそも関心がない、美味しくないというイメージ、備蓄していてもいつの間にか期限が切れている――などが現状」と話す。そこで今回レンジ調理できるアルファ米を提案することで身近に美味しさを感じてもらい、家庭での食品備蓄増につなげ、“個人の自助力アップ”を図る。
商品設計は従来の「アルファ米」の中身はそのままに、包装パッケージを変更することでレンジ調理を可能にした。水を注いでからチャックを閉め、600Wで3分(500Wの場合は3分半)加熱、そのまま3分程度蒸らすと出来上がりだ。レンジ加熱により「ご飯のうま味・香り・食感が溶け出し、更に美味しく食べられる」(伊藤部長)。
もちろん従来のお湯や水で戻す方法も可能で、賞味期限は5年半と長期保存食としての機能も兼ね備えている。ラインナップは五目ごはんやドライカレーなど5種で、希望小売価格は税抜380~420円。内容量を従来の100gから80gに減らし、出来上がり量は170~210gの「食べやすい量」とした。販売チャネルは亀田製菓(株)のネットショップやSM、CVSなどで順次展開する。
なお、古澤社長は「個人向けにはレンジ調理可能な製品を拡充していきたいが、災害時に官公庁や企業備蓄を食べる場合は、レンジを使うことは難しいだろう」とし、ニーズに合わせて従来品の展開も続ける方針だ。
発表会の後半には、ゲストとして元サッカー日本代表の丸山桂里奈さん・本並健治さん夫妻が登場。丸山さんは日頃から防災に関心を持っており、尾西の「おにぎりシリーズ」などの防災食や防災用品で自宅の一室が埋まっているほどだという。「アルファ米レンジ+」を試食した2人は「びっくりするくらい美味しい!」と感動の声を上げ、丸山さんは「今は赤ちゃんがいて子育てに忙しいので、ミルクを作るのと同時にレンジでチンすれば、手軽に食べられるなと思いました。お母さんの味方にもなりますね!」と母親目線からも絶賛した。
〈米麦日報2023年8月28日付〉